三重県の世界遺産「鬼ヶ城」とは？世界遺産マニアが解説

鬼ヶ城（おにがじょう）は「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つ。ここは熊野を代表する景勝地であり、まさに鬼が住む城のような荒々しい景観が続いてます。ところで、鬼ヶ城はなぜ世界遺産に登録されているのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは鬼ヶ城がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、鬼ヶ城について詳しくなること間違いなし！

鬼ヶ城とは？

鬼ヶ城は、三重県熊野市木本町にある景勝地。世界遺産としては、熊野参詣道を構成する「伊勢路」沿いにあることから構成資産に登録。ここはリアス式海岸で、海岸には無数の海食洞があり、これが地震によって隆起すると階段状に並ぶようになると、約1.2kmにも渡ってまるで城壁のように続いています。

まるで鬼が住む城のような景観が続くことから、平安時代の征夷大将軍の坂上田村麻呂をモデルにした、坂上田村丸（さかのうえのたむらまる）がここに住んでいた鬼の大将であり、海賊であった多娥丸（たがまる、今平鹿とも）を討ち取ったという伝説が残るほど。ちなみに、室松時代にはこのエリアの山頂に城が築かれ、「鬼ヶ城」と呼ばれるようになりました。

鬼ヶ城はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

鬼ヶ城が評価されたのが、以下の点。

登録基準（ii）
紀伊山地に残る霊場と参詣道は、神道と仏教が融合が見られ、東アジアにおける宗教文化の交流と発展を示すということ。

登録基準（iii）
紀伊山地に点在する神社や寺院は、この地の慣習を含めて、1000年以上に渡る日本独自の宗教の発展を示すものであるという点。

登録基準（iv）
紀伊山地は、日本各地の寺社の建築様式に大きな影響を与え、それらの形成のルーツともなっているという点。

登録基準（vi）
紀伊山地の霊場と森林には、1200年に渡って神の宿る地として信仰が維持され、それらが景観に見られるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

あくまでも世界遺産として登録されているのは「伊勢路」なので、鬼ヶ城も伊勢路沿いにあるから含まれているのですが、そのユニークな景観は他ではなかなか見られませんね。

ちなみに、坂上田村丸は坂上田村麻呂をモデルにしていますが、実際に彼は熊野国を訪れたという記録はなく、おそらく『鬼滅の刃』に出てくる鬼殺隊ような人々が悪者を退治したことが由来かと思われるのですが、そのルーツは今でも不明。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。