福岡県の世界遺産「宗像大社中津宮」とは？世界遺産マニアが解説

宗像大社中津宮は「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産の一つ。玄界灘に浮かぶ大島に建立された中津宮は古くから崇拝されてきました。ところで、宗像大社中津宮はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは宗像大社中津宮がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、宗像大社中津宮について詳しくなること間違いなし！

宗像大社中津宮とは？

現在の宗像大社は、宗像大社三社と呼ばれ、沖ノ島にある「宗像大社沖津宮」、宗像市の近くに浮かぶ大島に位置する「宗像大社中津宮」と「沖津宮遥拝所」、本土にある「宗像大社辺津宮」で構成されています。

本土から北西に約6.5kmの距離にある大島は、宗像大社三社の一つ・中津宮があり、宗像三女神の湍津姫神（たぎつひめのかみ）が祀られていて、ここも宗像神社の境内となっています。中津宮は港のすぐ側にあり、本殿は16世紀の宮司であり、宗像氏の最後の当主・宗像氏貞によって建立。その裏側にそびえる御嶽山の山頂にある上宮も含めて世界遺産に登録されています。

宗像大社中津宮はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

宗像大社中津宮が評価されたのが、以下の点。

登録基準（ii）
沖ノ島に残る遺物は、航海の安全を願って祭祀が行われたという形成期を示すもので、ここは4〜9世紀にかけて、朝鮮半島を経由して東アジアのさまざまな国々と文化や技術の交流し、それらは500年に渡って古代の祭祀の変遷を伝え、日本列島における日本独自の文化形成に貢献したという点。

登録基準（iii）
沖ノ島では奉納物が多く発見され、それらは4〜9世紀にかけて500年間に渡る祭祀の変化が見られるというもの。9世紀以降は祭祀は途絶えたものの、祭祀は宗像大社として「宗像三女神」を崇拝するという形で残り、これは古代から現在まで発展し、受け継がれてきた文化的伝統を今でも残しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

大島の中津宮は、宗像三女神の湍津姫神が祀られていて、沖津宮と辺津宮とともに古くからこの地に残っている祭祀が発展し、伝統が受け継がれてきたということを示すという点で評価されています。

ちなみに、中津宮には小さな川を挟んで織女社（しょくじょじゃ）と牽牛社（けんぎゅうじゃ）と呼ばれる社がそれぞれあり、その名前から「七夕伝説」がモチーフとなっています。実際に島は七夕伝説の発祥の地の一つであるとか。それもあり、島では旧暦の七夕（8月7日）には盛大な七夕祭りが行われます。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。