福岡県の世界遺産の数はいくつある?それぞれを一覧にして世界遺産マニアが解説

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福岡県は九州でも北東に位置し、古くから大陸との交流があり、日本の玄関口のような役割を持っていました。吸収最大の繁華街の福岡市や日本の近代化に貢献した八幡製鉄所もあることから、工業都市のイメージがありますが、福岡県に世界遺産はいくつあるでしょうか?

ここでは、福岡の世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。

目次

明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業

三池炭鉱・宮原坑/大牟田市

三池炭鉱・宮原坑/大牟田市
画像素材:写真AC

三池は現在の福岡県大牟田市と熊本県荒尾市にまたがるエリアで、江戸時代から炭鉱が存在していました。ここは「三池炭鉱」と呼ばれています。明治になると、三井財閥によって「宮原坑(大牟田市)」と「万田坑(荒尾市)」がそれぞれ建造されました。

宮原坑では、1898年に第一竪坑、1901年に第二竪坑が完成し、ここはやがて三池炭鉱の主力となっていきます。現在は第二竪坑が遺構として残っていて、竪坑そのものは見学できませんが、巻上機室にある昭和初期の電動モーターなどが残存。

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三池炭鉱 専用鉄道敷跡(熊本県と共同)/大牟田市

三池炭鉱 専用鉄道敷跡(熊本県と共同)/大牟田市

専用鉄道は、炭鉱で採掘された石炭を運搬するために1891年に七浦坑と大牟田川の河口まで結ぶ路線を建造。1905年になると海岸の三池港までに延伸し、石炭は大型船に乗せて海外へと輸出されました。

鉄道は重い石炭貨物を運ぶために土地を作り替え、坂道の少ない平坦の土地を整備していったというのが特徴。現在は線路の跡だけが登録されていて、トンネルや橋梁なども残されてています。

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三池港/大牟田市

三池港/大牟田市
画像素材:shutterstock

1908年に炭鉱から西へ約20kmほどの位置に三池港が完成し、石炭は大型船に乗せて海外へと輸出されました。ここは有明海に面しているために、干潮時には水位が低くなるため、大型船を入れることが難しかったのですが、関門で締め切って内港を設けることで解決し、現在も使用されています。

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官営八幡製鐵所/北九州市

官営八幡製鐵所/北九州市
画像素材:写真AC

北九州市に位置する「官営八幡製鐵所」は明治時代に操業した、今でも現役の製鉄所。ここは高炉の技術が確立し、日本の近代化に貢献したという点で評価されています。世界遺産としては「旧本事務所」や日本最古の鉄骨の建築物である「修繕工場」、鍛造品の製造が行われた「旧鍛冶工場」などが登録されているものの、すべて見学不可。

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遠賀川水源地ポンプ室/中間市

遠賀川水源地ポンプ室/中間市
画像素材:shutterstock

八幡製鐵所の西に位置する中間市は、工業用水を製鐵所まで送水する施設「遠賀川水源地ポンプ室」がある場所。ここはかつては蒸気ポンプでしたが、現在は電気ポンプになっていて、今でも現役です。

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「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

沖ノ島(宗像大社沖津宮)・小屋島・御門柱・天狗岩/宗像市

沖ノ島(宗像大社沖津宮)/宗像市
画像素材:shutterstock

玄界灘に浮かぶ沖ノ島は、宗像大社三社の一つ・沖津宮があり、宗像神社の境内となっています。島の山腹にある沖津宮は宗像三女神の田心姫神(たごりひめのかみ)が祀られていて、現在も社殿が存在。しかし、社殿の最も古い記録は17世紀ころであり、ずっと「不言様(おいわずさま)」という信仰が守られていて、かつては一切口外されなかったこともあってか、詳しいことはわかっていません。そして、今でも女人禁制の伝統が続けられていて、現在でも特別な許可がないと原則、島に入ることは不可。

島の手前に位置する小屋島・御門柱・天狗岩と名付けられた岩礁は鳥居の役割になっていて、こちらも構成遺産として登録。

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宗像大社中津宮/宗像市

宗像大社中津宮/宗像市
画像素材:shutterstock

本土から北西に約6.5kmの距離にある大島は、宗像大社三社の一つ・中津宮があり、宗像三女神の湍津姫神(たぎつひめのかみ)が祀られていて、ここも宗像神社の境内となっています。中津宮は港のすぐ側にあり、その裏側にそびえる御嶽山の山頂にある奥宮も含めて世界遺産に登録。

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宗像大社沖津宮遥拝所/宗像市

宗像大社沖津宮遥拝所/宗像市
画像素材:shutterstock

大島の北部に位置する遥拝所。沖ノ島は、通常は一般人が上陸できないため、ここから島を拝めるように建設されたもので、現在の社殿は1933年に建造されました。沖ノ島から約48kmも離れた位置にありますが、晴れた日はここから拝めることも可能。

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宗像大社辺津宮/宗像市

宗像大社辺津宮/宗像市
画像素材:shutterstock

本土にある田島という地域に建設されたもので、宗像大社三社の一つであり、宗像三女神の市杵島姫神(いちきしまのひめのかみ)が祀られています。こちらの辺津宮こそが、現在の宗像大社の神事の中心となっていて、ここには12世紀から既に社殿があったとされ、本殿と拝殿は16世紀に再建されたもの。

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新原・奴山古墳群/福津市

新原・奴山古墳群/福津市
画像素材:写真AC

辺津宮から南西へ約5km。福津市にある津屋崎古墳群の一部も世界遺産に登録されています。こちらは5世紀後半〜6世紀後半に建造された古墳群で、かつての豪族・宗像氏と関係があるというもの。前方後円墳が5基、方墳が1基、円墳が41基点在しています。

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世界遺産マニアの結論と感想

福岡県の世界遺産としては2件ではありますが、構成遺産として数えると13箇所も登録されています。古代日本の信仰が見られる沖ノ島から明治の日本を支えた工業地帯・八幡製鉄所まで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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