福岡県の世界遺産「官営八幡製鐵所」とは？世界遺産マニアが解説

官営八幡製鐵所は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つ。ここは明治から続く現役の製鉄所で、高炉操業技術の発展に大いに貢献してきました。ところで、官営八幡製鐵所はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは官営八幡製鐵所がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、官営八幡製鐵所について詳しくなること間違いなし！

官営八幡製鐵所とは？

北九州市に位置する「官営八幡製鐵所」は明治時代に操業した、今でも現役の製鉄所です。明治20年代に鉄鋼の需要が高まったため、八幡は筑豊炭田に近いという立地から政府はここに製鉄所を建造することを決定。1897年にドイツの鉄鋼事業で有名なグーテホフヌンクスヒュッテ社の技術指導を受けながら、1901年から稼働を開始します。しかし、トラブルや資金難により休止するもの、1904年から本格稼働を再開。やがて日本の高炉操業技術が確立され、日本の近代化に貢献しました。

世界遺産としては、1899年建造の赤レンガ造りの「旧本事務所」、1900年建造の日本最古の鉄骨の建築物である「修繕工場」、1900年建造で鍛造品の製造が行われた「旧鍛冶工場」の3つが登録されています。ここは現役の製鉄所であるため、すべて見学不可ですが、旧本事務所のみ眺望スペースから外観だけ眺めることが可能。

官営八幡製鐵所はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

官営八幡製鐵所が評価されたのが、以下の点。

登録基準（ii）
明治日本の産業革命遺産は、江戸時代から続く封建社会であった日本が19世紀半から西欧の技術によって20世紀初頭まで短期間で世界有数の工業国となり、そのノウハウや技術など、東アジアの工業化において影響を与えたという証拠である点。

登録基準（iv）
日本各地に残る鉄鋼、造船、石炭の産業拠点は、世界の歴史において、西欧諸国以外で初めて近代化に成功し、西欧技術の採用により、地元の技術革新と合わせて日本独自の工業化を反映した産業遺産であったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

官営八幡製鐵所は、明治時代から続く製鉄所で、ここはドイツの技術参考に日本独自の高炉技術を確立したことで、日本の重工業に大いに貢献してきたという点で評価されています。

ちなみに、八幡製鉄所は基本的に見学不可ではありますが、八幡の街の背後にある「皿倉山（さらくらやま）」は標高622mの大きな山で、展望台からは八幡製鉄所を含めた工業地帯を一望できることでも有名。特に夜景が美しく、ネットではよく「新日本三大夜景」と称されています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。