イタリアの世界遺産「ベルガモの要塞都市」とは？世界遺産マニアが解説

ベルガモの要塞都市は「16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群：スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール」の構成資産の一つ。丘の上に旧市街は、15世紀建造の城壁に囲まれていて当時の要塞都市の雰囲気を今に残しています。ところで、ベルガモはなぜ世界遺産なのでしょうか？

ここではベルガモがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ベルガモについて詳しくなること間違いなし！

ベルガモの要塞都市とは？

ベルガモはイタリア北部のロンバルディア州中部にあります。ここはアルプスの麓に位置し、丘の上に旧市街が建造されました。もともとはケルト系民族によって設立された都市で、紀元前1世紀に共和制ローマの自治都市になると、1万人にも及ぶ大都市に。中世はさまざまな国や都市に支配されますが、13世紀になると、イタリア各地を結ぶ郵便事業で有名な都市になりました。

丘の上の旧市街は「チッタ・アルタ（上の町）」と呼ばれ、15世紀後半にヴェネツィア共和国に支配されるようになると、城壁で囲まれた防衛都市へと改修されます。19世紀以降は商工業で発展し、第二次世界大戦では被害を受けなかったために、チッタ・アルタの保存状態は良好。

ベルガモの要塞都市はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

ベルガモが評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
ヴェネツィアの防衛施設群は、共和国内で16〜17世紀にかけて発展し、近代化されたもので、スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マールに残る防衛施設は、軍事施設というだけでなく、都市としての構造を持ち、ヴェネツィア湾付近からアドリア海まで広がっていたという点。

登録基準（iv）
ヴェネツィアの防衛施設群は、銃器を使用することが多くなった時代に構築された近代的な防衛施設で、スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マールには技術や戦略、戦闘法、新たな建築要素を含み、近代的な防衛システムを確立していったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ベルガモの要塞都市は、ヴェネツィア共和国による軍事施設が配備された都市の面影を残し、近代的な防衛施設が確立されていったという点で評価されています。

ちなみに、ベルガモの郵便事業は「ベルガモ飛脚」と呼ばれ、やがて神聖ローマ帝国内で大いに発展していったことから、現在のドイツポストのルーツとなりました。これも近代郵便のルーツでもあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。