愛知県にある犬山城は、国宝にも登録されている現存天守の一つで世界遺産に登録されていると思いきや…実は世界遺産じゃないんです。これだけ有名な観光地なのになぜ?
ここでは犬山城が、なぜ世界遺産でないのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、犬山城について詳しくなること間違いなし!
犬山城とは?
城主は誰?
愛知県犬山市にある犬山城。ここは木曽川沿いの高さ88mもの丘の上に築かれた城で、もともとは要塞があった場所を織田信長の叔父・織田信康が改修して城を建築しました。その後、城主は何度も変わりましたが、江戸時代になると徳川家康の家臣・平岩親吉(1542〜1611年)が入城すると、現在まで残る天守を建造。
親吉が死去し、城が成瀬氏に引き継がれると、一族は2004年まで城を保有していたために、天守だけ現代まで残されました。城は平山城であったものの、1873年の廃城となってしまい、城門は各地の寺院などに移築されて残されています。
天守閣は日本で12箇所しかない現存天守の一つ
犬山城の天守の高さは19mあり、複合式望楼型という建築様式。創建の時期は諸説ありますが、2重2階の主屋は築城時から存在していたとされ、1620年ころに3、4階を増築し、その後、装飾が加えられると現在見られる姿になったとされています。
天守は外から眺めると3重に見えますが、内部は4階建てとなっていて、最上階には望楼部があります。ちなみに、天守の最上階には絨毯が加えられていますが、これは江戸時代にオランダから持ち込まれたもの。
犬山城はなぜ世界遺産として登録されないの?
犬山城は観光客には人気のあるスポットではありますが、世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在の日本の暫定リストには犬山城が記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%です。しかし、犬山城は2016年から長野県の松本城と松江市の松山城を合わせて登録するということも視野に入れていて、各市は登録へ向けて連携を強化しています。そして、既に世界遺産に登録されている姫路城と単独で暫定リストに登録されている彦根城も含めて「近世城郭の天守群」として世界遺産登録を目指すとのこと。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら犬山城は世界遺産ではありませんが…しかし、それは現段階の話。まずは暫定リストへの登録を目指していて、日本各地に残る現存天守とともに世界遺産に登録される可能性も!まだまだ先の話ですが、楽しみに待っていましょう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。