登録区分 | 文化遺産 |
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登録基準 | (1),(2),(3),(4) |
登録年 | 1992年 |
プノン・バケンは「アンコール遺跡」の構成資産の一つ。アンコール遺跡の中でも最も高い位置にあり、頂上の寺院はサンセットのビューポイントとなっています。ところで、プノン・バケンはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではプノン・バケンがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、プノン・バケンについて詳しくなること間違なし!
プノン・バケンとは?夕日スポットとして人気?
プノン・バケンは、アンコール・ワットの北西、アンコール・トムの南に位置するプノン・バケン(バケン山)は、標高67mの小さな山。山頂には10世紀にアンコール王朝4代の王ヤショーヴァルマン1世(在位:889〜910年)によって築かれたヒンドゥー教寺院があることでも知られます。
彼は熱心なヒンドゥー教の信徒でした。ここは当時彼が築いたヤショーダラブラの都の中心として、この山は世界の中心である須弥山(しゅみせん)を表すために寺院を建造したと伝わっています。寺院は5層の基壇が連なるピラミッド型で、最上階には5つの祠堂が並ぶという構造。ここはアンコール遺跡内で最も高い位置にあるために遺跡だけでなく、トンレサップ湖までを一望できるということもあり、観光客に人気で、夕暮れ時には多くの人が集まっています。
プノン・バケンはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
プノン・バケンが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
アンコール遺跡は、アンコールワット、バイヨン寺院、パンテアイ・スレイなど、9〜15世紀までのクメール美術の傑作が見られるということ。
登録基準(ii)
アンコールで発展したクメール美術は、東南アジア全域で影響を与え、各地で独自に発展していったという点。
登録基準(iii)
密林に残る遺跡は9〜15世紀に東南アジアの大部分を支配したクメール王朝の存在を示しているということ。
登録基準(iv)
クメール様式の建築は、各地で独特の進化を遂げ、結果的に東南アジアの建築と美術の新しい様式を生み出していったということ。
世界遺産マニアの結論と感想
プノン・バケンの寺院は、クメール王朝の繁栄が見られる建造物であり、これらの建築技術と美術様式は各地で発展していったという点で評価されています。
ちなみに、寺院の第1基壇にはシンハ(ライオン)が並びますが、ヤショーヴァルマン1世は「獅子の男」として称されているだけに彼のイメージに合わせたのかもしれませんね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。