大阪府の世界遺産「二ツ塚古墳」とは？世界遺産マニアが解説

二ツ塚古墳（ふたつづかこふん）は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」の構成資産の一つ。日本で2番目に大きな古墳・誉田御廟山古墳（こんだごびょうやまこふん）の北東側にある前方後円墳。ところで、二ツ塚古墳はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは二ツ塚古墳がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、二ツ塚古墳について詳しくなること間違なし！

二ツ塚古墳とは？

羽曳野市にある日本で二番目に大きな古墳、誉田御廟山古墳（こんだごびょうやまこふん）のすぐ東に位置する前方後円墳。墳丘長110m、高さは9.9mと、誉田御廟山古墳の陪冢（ばいちょう、大きな古墳に付属する古墳）とされるものの、大型ではあります。

墳丘部分は立ち入り禁止となっていますが、埴輪や葺石（ふきいし）などが発掘され、これらからは古墳は4世紀後半〜5世紀前半に建造されたとされるもの。実は、誉田御廟山古墳東側の濠や堤は、この古墳の存在のために大きく歪められています。そして、この古墳は誉田御廟山古墳よりも少し早く築かれたと考えられていて、被葬者に近い人物が埋葬されていたという可能性が高いもの。

二ツ塚古墳はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

二ツ塚古墳が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
百舌鳥・古市古墳群は、日本全国にある16万もの古墳の中でも、古墳時代を代表するもので、この時代の社会構造や階級、高度な葬送文化を示すものであるという点。

登録基準（iv）
百舌鳥・古市古墳群は、古代の東アジアにおいても優れた陵墓で、埴輪や葺石（ふきいし）で覆われた墳丘は階層社会の確立を示しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

二ツ塚古墳は、誉田御廟山古墳の陪冢であるものの、かなり古くから存在していて、古墳が築かれた時代の日本の社会や葬送の文化がよく分かるという点で評価されています。

ちなみに、二ツ塚古墳は公開されておらず、案内板も隣接するテニスコートに置かれています。外壁の網には「応神天皇陵古墳」と記されているので、まるでここが誉田御廟山古墳（応神天皇陵）のように勘違いしていしまいますが、実際の応神天皇陵は二ツ塚古墳の先の濠の向こうにあるので注意。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。