世界遺産はあくまでも不動産を対象としているので、美術館なども登録されていますが、あくまでも建物としての価値で登録されるもの。とはいえ、その中でも世界的名画が壁画などで描かれている建物も実は世界遺産に登録されているんですよ。
ここでは、世界的に有名な絵画のある建造物を世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
※ここでは作者が判明していてタイトルが名付けられた絵画だけを対象としています
『最後の晩餐』/レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院
イタリア北部の中心都市ミラノの中心部にある、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会は、15世紀にドミニコ会の修道院として建設されたもの。
ここは建物も素晴らしいですが、なんといっても食堂の壁には1495〜1497年にかけて、ルネサンスの芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519年)が描いた『最後の晩餐』があることで有名。これは美術史において革命を起こした傑作でもありますね。
詳細はこちら↓
『最後の審判』/バチカン市国
世界最小の国家・バチカン市国内にあるシスティーナ礼拝堂。ここは現在バチカン美術館の一部となっています。 ローマ教皇を選出するコンクラーヴェが開催される場所としても有名で、もともとはバチカン宮殿にあった古い礼拝堂の跡地に、15世紀にシクストゥス4世によって建設されたもの。
その後、ボッティチェッリ、ギルランダイオ、ペルジーノ、ミケランジェロなどの、ルネサンスの芸術家によってフレスコ画が描かれました。特に1508〜1512年に描かれた天井画はミケランジェロ(1475〜1564年)の代表的な作品。これは旧約聖書の『創世記』をテーマにしていて、特に祭壇裏の『最後の審判』はあまりにも有名。
詳細はこちら↓
『アテナイの学堂』/バチカン市国
バチカン宮殿の北側にあるバチカン美術館は、ローマ教皇のコレクションを展示する美術館。宮殿の一部を美術館としていて、図書館や「ラファエロの間」なども含まれています。
特にラファエロの間は4つの部屋の総称で、さまざまなテーマで描かれたフレスコ画で埋め尽くされたもの。その中でも『アテナイの学堂』は、歴史的に有名な学者や芸術家、軍人が描かれたもので、ラファエロ(1483〜1520年)の最高傑作とされています。
詳細はこちら↓
『メキシコの歴史』/メキシコシティ歴史地区とソチミルコ
メキシコシティの中心部であるソカロの東側に位置する広大な宮殿。ここはかつて、アステカ帝国の皇帝(トラトアニ)モクテスマ2世(1466〜1520年)の宮殿があった場所で、官庁としての機能がありました。その後、廃墟となった後は1523年に征服者コルテスによって宮殿が造られたものの、17世紀に火災で焼失。
中央のパティオから2階に上がる階段には、メキシコ壁画運動と呼ばれる壁画の巨匠、ディエゴ・リベラ(1886〜1957年)によって1929〜1935年に渡って描かれた、450平方mもの広大な壁画があることで有名。
詳細はこちら↓
『炎の人』/グアダラハラのオスピシオ・カバーニャス
メキシコ西部のハリスコ州の州都グアダラハラは、メキシコでも有数の人口を誇る大都市。この街には、19世紀初期に周囲にいた孤児や老人、身体障害者、病人など、恵まれない人々のための救貧施設(病院や孤児院、救貧院などの複合施設)として建造されたオスピシオ・カバーニャスがあります。
ここは新古典主義の建造物で、内部には壁画が多く描かれましたが、中でも『炎の人』はメキシコの壁画運動の中心となった画家ホセ・クレメンテ・オロスコ(1883〜1949年)の最高傑作とされています。
詳細はこちら↓
世界遺産マニアの結論と感想
世界遺産はあくまでも不動産として登録しているので、単体の絵画作品が世界遺産に登録されることはないのですが、それが壁画となっている場合は付随品となるので、合わせて世界遺産となるということもあります。『最後の晩餐』や『最後の審判』など、誰もが知る名画も世界遺産だったりするので、その視点で世界遺産を見るとまた違った楽しみ方があるかも?
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。