自然遺産というと広大な湖もイメージの一つですね。世界には多くの湖がありますが、世界遺産に登録されるほどの湖はいくつあるでしょうか?実は思ったよりも多いんですよ!
ここでは、世界遺産に登録されている湖を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
目次
オフリド湖/北マケドニア・アルバニア
北マケドニアとアルバニアにまたがるオフリド湖は、その古代湖の自然遺産としての価値だけでなく、周囲に残る遺跡や教会など、文化的遺産も評され、複合遺産となっています。
ここは「古代湖」として有名で、多様な生態系が見られる豊かな湖です。湖畔に広がる町は、ヨーロッパで最も古い居住地の一つ。
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プリトヴィツェ湖/クロアチア
プリトヴィツェは、クロアチア中央部にあるディナリデス山脈の低地に位置するプリトヴィツェ台地にあります。192平方kmもの広大な面積を誇り、16の湖と92の滝で構成。ここはクロアチア最大の国立公園で、壮大なカルスト地形でもあります。
湖は上湖と下湖で景観が大きく変化。上湖は森林の中にあり、ドロマイト(白雲岩)の上に形成されていて、段々畑のように滝で繋がっています。そして、峡谷にある下湖は低い草木が生い茂る石灰岩の岩盤の上に水が流れるようになっているのが特徴。
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バイカル湖/ロシア
バイカル湖は、ロシアの極東連邦管区にあるブリヤート共和国とザバイカリエ地方、シベリア連邦管区のイルクーツク州にまたぐ三日月型の湖。面積は3万2000kmとカスピ海を除くと、ユーラシア大陸最大の広さで、その誕生は約2500万年前にも遡り、世界でも最も古い湖でもあります。
湖底で地震が発生するため、化学物質や鉱物が浄化するという構造に。豊かな生物相を誇り、淡水に生息するバイカルアザラシが見られることでも有名。
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モレーン湖/カナダ
カナダ西部のアルバータ州南部にあり、ブリティッシュ・コロンビア州との州境に近く、公園の総面積は6641平方km。1887年にカナダで最初に設立された国立公園でもあります。ここはカナディアン・ロッキーのゲートであるバンフの町を中心としていて、道路が網羅されているのが特徴。
モレーン湖はレイク・ルイーズ近郊の標高1884mにある氷河湖。ここは氷河の雪解け水によって形成され、土砂が湖を浮遊して光が屈折しているため、ターコイズブルーのように青く見えるという仕組み。
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西湖(杭州)/中国
浙江省杭州市は、上海から南西へ170kmにある大都市。町の中心部にある西湖は、唐(618〜907年)の時代以降、多くの詩人や画家によって称賛されてきました。ここは三方を山に囲まれていて、周囲は霧に覆われることが多く、山水画のような景観が見られます。
13世紀になり、南宋が杭州に首都を置くと「西湖十景」という詩のテーマとなった絵画にも選ばれるほどに中国人にとっての理想の景観となりました。
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バトゥール湖/インドネシア
バリ島北東部にある約16平方kmもある半月型の湖。ここは標高1031mにあり、西側にあるバトゥール山(標高1717m)の楕円型のカルデラの中の一つで、現在のカルデラは2〜3万年前に形成されました。
湖はバトゥール山のカルデラ内にあり、湖の水は生活用水として利用されている一方、水の女神デウィ・ダヌが住む場所として古来より神聖な場所でもありました。
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マラウイ湖/マラウイ
アフリカ南東部にあるマラウイ湖はモザンビーク、マラウイ、タンザニアにまたがる巨大な湖。面積は2万9600平方kmで水深は706m。アフリカでも2番目の深さを誇り、透明度が高く、気候が一年を通じて一定で産卵期がないというのが特徴です。
ここは1年を通じて気候が一定で産卵期がなく、数百もの魚類が生息。マラウイ湖は「湖のガラパゴス諸島」と呼ばれるほど固有種が多く、特にシクリッド科の魚類が豊富に見られます。
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フェルテー湖/ノイジードル湖/オーストリア・ハンガリー
ドイツ語でノイジードル湖、ハンガリー語でフェルテー湖と呼ばれる塩湖はオーストリアとハンガリーの国境に広がっています。湖は1万8000年から1万4000年ころに出現したとされ、何度も干上がったり、水が張ったりといった状態を繰り返してきました。
ここは古くから異文化が交わる地であり、湖の周囲には田舎風の貴族の館や、18〜19世紀のハンガリーの宮殿風の館など、湖と合わさった文化的景観が広がっています。
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ウニアンガ湖/チャド
チャドの北部はサハラ砂漠に属していて特に ウニアンガ湖があるエリアは、年間洪水量が2mm以下という乾燥地帯となっています。現在は盆地とはなっているものの、約1万年前には大きな湖が存在していたのですが、後に乾燥したため、地下には当時の水が蓄えられ、現在は18もの湖が形成されています。
ウニアンガ・ケビルとウニアンガ・スリの2つのグループに分かれていて、塩湖や超塩湖、淡水湖など、それぞれカラフルで美しい湖が続いています。
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ボゴリア湖、ナクル湖、エレメンタイタ湖/ケニア
大地溝帯とは、アフリカ大陸を南北に縦断する巨大な谷。ここは大地溝帯の底の部分になっていて、北からボゴリア湖、ナクル湖、エレメンタイタ湖と比較的浅い湖が世界遺産に登録されています。湖はアルカリ性で、周囲は温泉や間欠泉、火山などに囲まれているのが特徴。
ここは世界最大のコフラミンゴの生息地。他にも13種の絶滅危惧種の鳥類が生息していて、世界有数の多様性を誇ります。
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富士五湖/日本
標高3776mと日本一高い山として有名な富士山。山頂から駿河湾まで山麓が続いて、成層火山としては世界有数の高さを誇ります。ここは古くから崇拝の対象とされていて、その美しさから日本の芸術にインスピレーションを与えてきました。
富士五湖は、富士山の北麓に位置する5つの湖を指し、それぞれ富士山の噴火によって形成されたもので、美しい景観から世界遺産の構成資産としても含まれています。
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世界遺産マニアの結論と感想
バイカル湖やオフリド湖という世界的に有名な湖があるものの、意外にも各国には世界遺産級の湖は数多いので驚きですね!ちなみに、富士五湖は日本人にとって馴染み深いですが、実は自然遺産としての価値ではなく、その文化的景観が評価されているのです。このように文化遺産として登録されているという湖もあるというのが興味深いですよね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。