登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 1999年 |
チェコ東部に位置するリトミシュルにある城は、16世紀にベルンシュテイン家の居城として建造され、ここは中欧初のルネサンス様式が取り入れられた城でした。18世紀にはバロック様式が追加され、外観や柱廊は壮麗な装飾で囲まれた城へと変化。
ここではリトミシュル城がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、リトミシュル城について詳しくなること間違いなし!
リトミシュル城とは?
リトミシュルは東ボヘミア地方に位置する都市で、モラヴィア(現在のチェコ西部)との交易ルートの中継地でもありました。中央部には16世紀に建造されたルネサンス様式の城が残っています。
ここは当時の領主だったベルンシュテイン家の居城として、北イタリアの建築家によって建造されたため、当時のボヘミアでは見られない、ルネサンス様式独特の優雅なデザインで建造されました。
城は18世紀にバロック様式が加えられたものの、その外観はルネサンス様式のままにされました。これは「スグラフィット装飾」という漆喰の上に白い塗料を加え、削っていくという装飾で、女神や植物など、約8000もの絵柄が配されています。中庭に面してルネサンス様式の柱廊などが並び、さらに劇場が加えられ、豪華絢爛な内装になりました。
城内にはビール醸造所があるのですが、ここでチェコを代表する音楽家スメタナが生まれたことで有名。彼は幼少期からここでピアノやヴァイオリンを演奏し、その才能を磨いたことでも知られます。
リトミシュル城はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
リトミシュル城が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
リトミシュル城は、イタリアの建築家が設計したものの、チェコ独自の様式を発展させていった城であるということ。
登録基準(iv)
リトミシュル城は、中欧でいち早くルネサンスが取り入られた城で、この城をモデルにチェコの建築様式が発展していったという点。
世界遺産マニアの結論と感想
建設当時、中欧でも珍しいルネサンス様式の城だったリトミシュル城は、その後、チェコ独自の要素を入れつつも発展していき、周囲の建築物にも影響を与えたという点で評価されています。
ちなみに、スメタナは父親と同じようにビール醸造家か公務員になってほしいと望まれていたものの、彼は音楽教育を受けなかったにもかかわらず、自分で技術を磨いて最終的には偉大なる音楽家になったというスゴイ人物でした。ただ親の期待は裏切ってしまってはいますが、本当にビール醸造家にならなくて良かったなぁ…と思う音楽家は多いと思います。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。