登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4), (6) |
登録年 | 1986年 |
セルビア中央部にあるストゥデニツァ修道院は、セルビア正教会の修道院としては最大級のもの。これらは12世紀後半に中世セルビア王国の創設者であるステファン・ネマニャによって設立されました。敷地内には、生神女聖堂と王の聖堂という2つの聖堂があり、13〜14世紀のビザンチン様式の見事なフレスコ画で知られています。
ここでは、ストゥデニツァ修道院がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ストゥデニツァ修道院について詳しくなること間違いなし!
ストゥデニツァ修道院とは?
セルビア中央部のラシュカ郡にあるストゥデニツァ修道院は、12世紀後半に中世セルビア王国の創設者であるステファン・ネマニャによってストゥデニカ川の近くに設立されました。そして、彼自身もここで眠っています。そして、ステファン・ネマニャの息子である聖サヴァが1219年にここでセルビア正教会の教会を設立しました。そのことから、ストゥデニツァ修道院はセルビアでも重要な地位にある修道院となっています。
セルビア正教会の修道院では保存状態がよく、円形の壁に囲まれ、中央には聖堂があり、壁沿いには施設が造られています。中央にある生神女聖堂はロマネスク様式とビザンチン様式を融合させたもの。ドーム型の白亜の建造物で内部には、ビザンチン美術の傑作であるフレスコ画が現在も残っています。13世紀に描かれた「キリストの磔刑」はセルビア美術の最高傑作とも。
生神女聖堂の北西にある王の聖堂には、1314年に国王ミルティンによって設立された聖堂。上から見ると十字架型になっていて、石灰岩で造られています。内部は宮廷画家によるフレスコ画が描かれており、そこには王の聖堂の模型を持つミルティン王の姿もあります。
ストゥデニツァ修道院はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ストゥデニツァ修道院が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
王の聖堂にあるフレスコ画は、完成度の高いイコンであるという点。
登録基準(ii)
生神女聖堂は、東欧における中世の教会建築様式であるラシュカ派の建造物で、その後の教会建築のモデルとなったということ。
登録基準(iv)
円形の壁の内側には聖堂や食堂、宿坊など、セルビア正教会の修道院を代表するものであるということ。
登録基準(vi)
この地でセルビア正教会は設立され、19世紀までストゥデニツァ修道院はシンボル的存在であり続けた点。
世界遺産マニアの結論と感想
生神女聖堂と王の聖堂は今でも保存状態がよく、完成度が高いフレスコ画が現在も残っています。ラシュカ派という建築様式としても突出した建造物であったということ。そして、ここでセルビア正教会が確立したことから、セルビア正教会の中でも重要な地位にありました。
修道院、しかも東欧の修道院というのは、イメージが掴みづらいですが…セルビアの中でも「すごい修道院」と位置する修道院であるから世界遺産であるのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。