登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (8), (9), (10) |
登録年 | 1996年(2001年拡大) |
ユーラシア大陸の北東部に位置するカムチャツカ半島は、300以上の火山を持ち、さまざまな種類の火山が並ぶことから「火山の博物館」と呼ばれるほど。ここは標高3000mを超える活火山であっても、氷河や氷雪などに囲まれているため、さまざまな地形や多種多様な生態系が見られます。
ここではカムチャツカの火山群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カムチャツカの火山群について詳しくなること間違いなし!
カムチャツカの火山群とは?カムチャツカ半島に広がる遺産
ロシアでも最も東部にあるカムチャツカ地方は、環太平洋造山帯に属する火山が並ぶ半島で構成されるエリア。ここは300以上もの火山が並び、半島は世界で最も火山の種類が多いエリアであることから「火山の博物館」と呼ばれています。
世界遺産としては、クロノツキー国立生物圏・自然保護区、ブィストリンスキー自然公園、ナルィチェヴォ自然公園、南西ツンドラ自然保護区、南カムチャツカ自然公園、クリュチェフスコイ自然公園と合計で6つの公園と保護区が登録され、合計で約3万平方kmもの範囲に及びます。ここは玄武岩のマグマを吹き出すストロンボリ式や、溶岩が流出するハワイ式などのさまざまな火山が見られるもの。活火山は氷河に囲まれていて、亜寒帯に属し、世界最大のサケ科「アムールイトウ」やヒグマ、オオワシなど、多様な生態系が見られることで知られます。
カムチャツカの火山群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
カムチャツカの火山群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
カムチャツカの火山群は、火山や湖、海岸線、河川など、並外れた自然の美しさを誇り、サケ類の産卵地帯やベーリング海の野生生物なども見られるということ。
登録基準(viii)
カムチャツカの火山群は、2001年に活火山としてはユーラシア大陸最高峰のクリュチェフスコイを含むクリュチェフスコイ自然公園が追加で登録され、カムチャツカの地質の変化の過程やそれが分かる地形などが見られるという点。
登録基準(ix)
カムチャツカの火山群は、ユーラシア大陸にあるにもかかわらず、太平洋に囲まれた地であり、その地理的要因と火山活動によって独特の生態系が見られるということ。
登録基準(x)
カムチャツカの火山群は、16もの固有種を含む北極圏の植物相や、世界におけるオジロワシの約半分が見られ、ワシやハヤブサなどが多く生息。そして、範囲内の河川には11種のサケ科の魚が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
カムチャツカ半島は、ユーラシア大陸の最果てにあり、活火山が多く見られるにもかかわらず、雪や氷河に囲まれ、独特の生態系が築かれ、固有種や希少種など多く見られるという点で評価されています。
ちなみに、アムールイトウは世界愛大のサケ科の魚で、主に小魚を食べるのですが、時にはネズミやヘビ、鳥類まで捕食するそう。なんと100kgを超える個体も発見されたこともあるとか!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。