エクアドルの世界遺産「サンガイ国立公園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(7), (8), (9), (10)
登録年1983年

エクアドルの中央部にあるサンガイ国立公園は、標高5286mのサンガイ山とトゥングラワ山を中心とした公園。ここでは熱帯雨林から山頂の氷河まで標高差が4000m以上あることから多様な植物の垂直分布が見られます。そして、南米大陸唯一のクマであるメガネクマやアンデスコンドルなど、固有種が生息することで有名。

ここではサンガイ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サンガイ国立公園について詳しくなること間違いなし!

目次

サンガイ国立公園とは?

画像素材:shutterstock

サンガイ国立公園は、南米大陸を貫くアンデス山脈の東側からアマゾン川の上流域の熱帯雨林まで、約2700平方kmもの広大な敷地を誇ります。ここは、標高5286mのサンガイ山と標高5016mのトゥングラワ山という2つの活火山を持ち、山頂の氷河からツンドラ、雲霧林、熱帯雨林、湿地帯、荒れ地など、標高差が4000m以上あることから多様な植物の垂直分布が見られるのが特徴。

動物の分布は多様で、標高800m〜1800mまでは熱帯雨林が広がり、コンゴウインコなどの鳥類が見られます。標高2000〜3000mの地帯は、森林となっていて、絶滅危惧種のヤマバク、南米大陸唯一のクマであるメガネクマが生息。標高4000mにもなると、アンデスコンドルが見られます。

危機遺産(危機にさらされている遺産)

公園内に道路の建設が予定され、1992年には危機遺産リストに登録されたものの、計画は中止となったため、2005年にはリストから外されました。

サンガイ国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

サンガイ国立公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(vii)
サンガイ国立公園は、3つの火山を中心とした標高900mから5319mまで、熱帯雨林や草原地帯、湿地帯、荒れ地などのさまざまな地形が存在し、世界でも複雑な生態系が見られるという点。

登録基準(viii)
サンガイ山の長期的な火山活動は世界でも有名。ここは深い谷や断崖などの起伏のある地形で、頂上の氷河地帯から東のアマゾン川流域に向かって、河川が流れていき、数多くの滝が形成されているということ。

登録基準(ix)
サンガイ国立公園の活火山によって、熱帯雨林や雲霧林、草原、荒れ地など、さまざまな地形が形成され、3000種もの植物相があると予測されているほど。中央アンデスと東アンデス固有の野鳥の生息地で構成されていて、多様な生態系が見られ、さらに変化する可能性があるという点。

登録基準(x)
サンガイ国立公園は、植物が公園全体の約84.5%を占めており、在来種も生息されています。動物相は、哺乳類107種、鳥類430種、両生類33種、爬虫類14類、魚類17種が見られ、絶滅危惧種のヤマバクの保護区もあることも有名。他にもアンデスコンドルやオオアリクイなどの絶滅危惧種が見られるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

サンガイ国立公園は、5000m級の活火山を中心としていて、東側のアマゾン河流域まで河川が流れることで渓谷や断崖などが形成。ここは多様な生態系が見られ、絶滅危惧種のヤマバクやメガネクマ、アンデスコンドルなどが生息するという点で評価されています。

ちなみに、メガネクマとはいうものの、目の周りの斑紋は、実は個体差があって、実は斑紋がないメガネクマもいるのです。そして、英語でも「Spectacle Bear」と呼ばれるので一応、世界各国共通で「メガネ」のように見えるそうな。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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