イタリアの世界遺産「ブラーノ島」とは?レース産業を含めて世界遺産マニアが解説

  • URLをコピーしました!
登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(3),(4),(5),(6)
登録年1987年

ブラーノ島は「ヴェネツィアとその潟」の構成資産の一つ。レースで有名な島ですが、カラフルな家々が並ぶことでも知られ、人気を集めています。ところで、ブラーノ島はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではブラーノ島がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ブラーノ島について詳しくなること間違いなし!

目次

ブラーノ島とは?

ブラーノ島
画像素材:shutterstock

ヴェネツィアから北東部に位置する4つの小島で構成される群島。ここはローマ時代から人が暮らし、古くから漁が行われていて、カラフルな住宅街が続くことでも有名です。これは霧が発生した日でも、漁師たちが自分の家の位置をわかりやすくするために色を塗り、それが島内で流行した結果とされるのが通説。

レース産業が始まったのは16世紀ころから。島の女性たちはキプロス島の名産であるレース作りが伝わり、ヨーロッパ全土で輸出するようになるほどに繁栄するものの、18世紀になると衰退。レース学校は1872年に再開しますが、伝統的な技法は一度途切れたため、今では当時の技法で作れる人はほとんどいません。

ブラーノ島はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ブラーノ島
画像素材:shutterstock

ブラーノ島が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
潟(ラグーン)に浮かんでいるように見えるヴェネツィアは、世界でも建築物の傑作が並ぶ都市の一つであるという点。

登録基準(ii)
ヴェネツィアの都市構造は、アドリア海や東地中海の都市に大きな影響を与えたということ。

登録基準(iii)
かつて世界中の海と文化をつないだヴェネツィアは、現在でも存在し続けているという点。

登録基準(iv)
町にはヴェネツィア共和国時代の技術を示す建築物が多く残るということ。

登録基準(v)
ヴェネツィア周辺の潟(ラグーン)は、独特の生態系を持ち、これを利用した漁村や小屋、耕作地なども価値が高いという点。

登録基準(vi)
マルコ・ポーロが世界を地中海を越えて世界を冒険したように、ヴェネツィアの商人の開拓精神は、人類の歴史の発展に貢献したということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ブラーノ島はヴェネツィア共和国の一部であり、漁とレース作りで繁栄したという町並みが残されていて、当時の潟での暮らしが見られるという点で評価されています。

ちなみに、島の地盤は弱く、15世紀に建造されたサン・マルティーノ教会の鐘楼は垂直から1.8mほど横に傾いていることで有名。外観はかなり危険に見えますが、1965年の基礎工事によって固定され、現在では傾きの問題は解決したそう。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

目次