イタリアの世界遺産「パルマノーヴァの都市要塞」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (4)
登録年2017年

パルマノーヴァの都市要塞は「16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール」の構成遺産の一つ。星型要塞の構造が今でも綺麗に残されている都市で、これはルネサンス期の理想都市を実現したもの。ところで、パルマノーヴァはなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではパルマノーヴァがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、パルマノーヴァについて詳しくなること間違いなし!

目次

パルマノーヴァの都市要塞とは?

パルマノーヴァの都市要塞
画像素材:shutterstock

パルマノーヴァは、イタリア北東部のウーディネ県にあり、星型要塞が現在でも残る都市のひとつ。都市は当時敵対していたオスマン帝国から防衛するため、16世紀末にヴェネツィア共和国によって設計され、今でも保存状態がよいというのも特徴です。ここは建築家ヴィンチェンツォ・スカモッツィ(1548〜1616年)によって設計された、ルネサンス期の理想都市でもありました。

幾何学的なデザインは、ルネサンスの理想である「平等主義」が実現されていて、円形にしているのは要塞としての機能も持たせるという目的もありました。城壁は斜面になっていて、簡単に的が近づけないようになっているという点でも堅固なもの。街の中心の大広場は、市庁舎や教会があり、放射状に道が広がって邸宅が並んでいくという機能的な造りとなっています。

パルマノーヴァの都市要塞はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

パルマノーヴァの都市要塞
画像素材:shutterstock

パルマノーヴァが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ヴェネツィアの防衛施設群は、共和国内で16〜17世紀にかけて発展し、近代化されたもので、スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マールに残る防衛施設は、軍事施設というだけでなく、都市としての構造を持ち、ヴェネツィア湾付近からアドリア海まで広がっていたという点。

登録基準(iv)
ヴェネツィアの防衛施設群は、銃器を使用することが多くなった時代に構築された近代的な防衛施設で、スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マールには技術や戦略、戦闘法、新たな建築要素を含み、近代的な防衛システムを確立していったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

パルマノーヴァの都市要塞は、ヴェネツィア共和湖によって建造された星型要塞の都市構造が残っていて、近代的な防衛システムの要素が見られるという点で評価されています。

ちなみに、パルノマーヴァは、イタリアの民間団体である「イタリアの最も美しい村」というクラブに所属しています。団体は過疎化や廃村の危機にある村を保存する活動を行っているのですが、まさに世界遺産に登録されたので、クラブでも期待の星でもありますね。とはいえ、北部のオルタ・サン・ジューリオという村も世界遺産「ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ」に含まれているので、少しずつ価値が評価されつつあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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