イタリアの世界遺産「コロッセオ(フラウィウス円形闘技場)」とは?その歴史や場所について世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (2), (3), (4), (6)
登録年1980年(1990年拡大)

コロッセオ(フラウィウス円形闘技場)は「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂」の構成資産の一つ。ここはローマ帝国最大の闘技場で、ローマ市のシンボルともなっています。ところで、コロッセオはなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではコロッセオがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コロッセオについて詳しくなること間違いなし!

目次

コロッセオ(フラウィウス円形闘技場)とは?古代ローマにおいてはどこに存在した?

コロッセオ(フラウィウス円形闘技場)
画像素材:shutterstock

帝政ローマ期に完成した円形闘技場。ローマの中心部であったフォロ・ロマーノの北東に位置していて、ここでは剣闘士同士や、剣闘士と猛獣など、見世物が行われたことで有名。

高さ48mの4階建ての闘技場は、長径187.5m、短径156.5mの楕円形となっていて、面積は3357平方mと古代ローマでも最大規模の円形闘技場となっています。ここは5万人から8万7000人まで収容でき、1階はドーリア式、2階はイオニア式、3階はコリント式のアーチが並ぶという装飾も豪華。

天井部分は開放されていますが、日除け用に天幕を貼ることも可能で、皇帝の席は日が当たらないような工夫がされていました。現在は遺構となっていますが、フロアの地下には剣闘士と戦う猛獣を運ぶ人力のエレベーターが存在していたことも分かっています。

円形闘技場としての歴史は?

コロッセオ(フラウィウス円形闘技場)
画像素材:shutterstock

闘技場は80年設立。ウェスパシアヌス帝(9〜79年)が建設を始め、ティトゥス帝(39〜81年)の時代に完成したもの。二人ともフラウィウス朝の皇帝であったことから本来の名前は「フラウィウス円形闘技場」。ローマ帝国でキリスト教が普及するまで、剣闘士の戦いは続いたとされていますが、その後も修復が続けられました。

しかし、中世になると、採石場として利用され、大理石はバチカンのサン・ピエトロ大聖堂の素材にもされていました。ここはキリスト教徒が迫害されたという伝説があることから、聖地となり、ローマ教皇ベネディクトゥス14世(1675〜1758年)の時代から保存されていために、現在は当時の外周の半分程度は残されています。

現在でもコロッセオはローマのシンボルであり、1939年に大規模修復が行わるも、21世紀に入って再び崩落が発生したために、徐々に修復されています。

コロッセオ(フラウィウス円形闘技場)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

コロッセオ(フラウィウス円形闘技場)
画像素材:AdobeStock

コロッセオが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ローマは、古代から現在まで3000年にも及ぶ歴史を持つ芸術的な建築物であるということ。

登録基準(ii)
古代ローマからルネサンス、バロック、新古典主義まで、ローマ発祥の芸術は世界中の都市計画や建築物、芸術の発展に大きな影響を与えてきたということ。

登録基準(iii)
ローマの遺跡は保存状態がよく、現在も当時の芸術と建築技術の高さがよく見られるという点。

登録基準(iv)
ローマは中心部の都市開発は、3000年近くも途切れることなく続いており、古い町並みと現代建築が調和できるようになっているということ。

登録基準(vi)
キリスト教が伝来してから2000年以上の間、ローマはキリスト教世界の中心都市であり、ヨーロッパの文化の基盤であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

コロッセオは、設立から2000年近く経っても遺構として残されていて、高い技術力が見られ、帝国各地の円形闘技場のモデルともなっているという点で評価されています。

ちなみに、コロッセオ(Colosseo)はコロシアム(Colosseum)の英語読みで、古代ローマのものがルーツとなっています。コロシアムは円形闘技場のイメージがありますが、現代では「競技場」を示す言葉となり、円形や屋外でなくてもコロシアムと呼ばれていますね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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