登録区分 | 文化遺産 |
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登録基準 | (2), (5) |
登録年 | 1996年 |
クエンカの宙吊りの家は「歴史的城塞都市クエンカ」の構成資産の一つ。フカール川の渓谷にある断崖の上に築かれた家は、まるで宙吊りになっているようなことからこのように呼ばれます。ところで、宙吊りの家はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここでは宙吊りの家がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、宙吊りの家について詳しくなること間違なし!
クエンカの宙吊りの家とは?

スペイン東部のカスティーリャ=ラ・マンチャ州にある クエンカは、9世紀にイスラム教徒によって、フカール川沿いの石灰岩の岩山の上に築かれた要塞が起源となっています。断崖沿いには建築物が並んでいて、その中でも宙吊りの家は街のシンボル的建築物。「宙吊り」と名付けられているものの、実際は宙吊りにはなっておらず、断崖からせり出すようなバルコニーがあることからそのように呼ばれています。
ここはかつては市庁舎や邸宅として使用されていて、15世紀には存在していたとされているものの、建造された年月は不明。各階に2〜3つの部屋があり、現在は「スペイン抽象美術館」やレストランとして利用されています。
クエンカの宙吊りの家はどんな理由で世界遺産に登録されているの?



宙吊りの家が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
ここはかつてはイスラム教徒の要塞だったものを、教会や修道院を加えた宗教都市となり、その町並みが中世から現在まで保存されているという点。
登録基準(v)
12〜18世紀ににかけて岩山の上に築かれた都市は、それが周囲の自然と溶け込む景観を作り出しているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
宙吊りの家は、クエンカを代表する建造物であり、似たような建物が失われていくなか、非常に保存状態が良く、これらは周囲の自然と溶け込むような景観を作り出しているという点で評価されています。
ちなみに、宙吊りの家の内部はスペイン抽象美術館となっているので、かなりモダンな内観となっていて、ちょっと意外かもしれません。とはいえ、梁の構造などは古い建造物を利用した感じはしますが…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。