登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4) |
登録年 | 1991年 |
アンヴァリッド(廃兵院)は「パリのセーヌ河岸」の構成資産の一つ。ここは軍人専用の病院であった場所で、敷地内にある教会には、かの有名なナポレオン・ボナパルトの墓があることで有名。ところで、アンヴァリッドはなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではアンヴァリッドがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アンヴァリッドについて詳しくなること間違いなし!
アンヴァリッド(廃兵院)とは?
パリ7区にある旧軍病院で、正式名称は「オテル・デ・ザンヴァリッド」。ここは1674年にルイ14世(1638〜1715年)によって戦争で傷ついた兵士を看護する施設として建造されたもので、今でも傷痍軍人(しょういぐんじん)が暮らしています。1677年にバロック様式の教会が建造され、1706年頃に完成。ここは兵士の教会とドーム教会に分けられています。
ナポレオンの棺
7月王政(1830〜1848年)になると、ドーム教会に地下墓所が増築され、1821年に大西洋のセントヘレナ島で亡くなったナポレオン・ボナパルトの棺が1840年に返還された際は、ここに置かれました。地下墓所にはナポレオンの関係者だけでなく、歴代の軍人の墓地ともなっていて、軍事博物館もあることから今では観光地にもなっています。
アンヴァリッド(廃兵院)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
アンヴァリッドが評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
セーヌ川沿いには、中世から20世紀にかけて建造された建築物の傑作が並ぶという点。
登録基準(ii)
ノートルダム大聖堂など優れたゴシック建築は、ヨーロッパの都市開発に影響を与え、ジョルジュ・オスマンによる都市計画は、ラテンアメリカの都市設計にも影響を与えたということ。
登録基準(iv)
パリのセーヌ川の風景や建築物は、絵画や芸術、建築などで8世紀以上に渡ってモチーフとなったという点。
世界遺産マニアの結論と感想
アンヴァリッドは旧軍病院であり、今でも利用されていますが、17〜18世紀に建造されたバロック様式の教会の傑作であるという点で評価されています。
ちなみに、アンヴァリッドの教会は、ルイ14世の首席建築家であるジュール・アルドゥアン=マンサールによって設計されたもので、彼はヴェルサイユ宮殿の鏡の間などを担当したことでも有名。しかし、天才すぎたためか「才能ある助手を雇っただけ」と周囲に妬まれたりするほどだったとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。