登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (5) |
登録年 | 2021年 |
垣ノ島遺跡(かきのしまいせき)は「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つ。北海道でも最大規模の縄文遺跡で、約9000年前の副葬品も発見。ところで、垣ノ島遺跡はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは垣ノ島遺跡がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、垣ノ島遺跡について詳しくなること間違いなし!
垣ノ島遺跡とは?
北海道函館市臼尻町にある縄文時代初期〜後期までの遺跡。北海道でも最大規模の縄文遺跡であることでも知られます。垣ノ島B遺跡はなんと約9000年前に人が住んでいたとされる居住地跡。土抗墓から発掘された漆工芸品は、中国で発見された約8200年前のものよりも古く、世界最古の副葬品とされるほど。
垣ノ島A遺跡は、縄文時代早期の土坑群と中期〜晩期の集落が見られる遺跡。土壙墓だけで316基も存在し、遺物は5万2000点もあるというほど。他にも子供の足型と手形をつけて焼いた約6500年前の「足型付土板」が発掘され、この時代のものとしては非常に珍しいのが特徴。そして、縄文時代後期(約3200年前)の朱漆色の土器が完全な状態で発掘されています。
垣ノ島遺跡はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
垣ノ島遺跡が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
北海道・北東北の縄文遺跡群では、土器や土偶などの遺物、墳墓、土塁、ストーンサークルなどが発掘され、これらは世界的に珍しい定住型狩猟社会の文化を示すものであるということ。
登録基準(v)
北海道・北東北の縄文遺跡群は定住地の出現から成熟期までの土地利用が見られ、縄文時代の人々は、食料が採れる川の近くや干潟、森など、農耕社会のように定住地を大きく変えることなく、自然と適応しながら狩猟採集生活を維持してきたということを示しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
垣ノ島遺跡は、北海道でも最大規模の縄文時代の遺跡で、土坑墓からは世界最古の副葬品が発見されていて、当時の定住型狩猟社会における文化が見られるという点で評価されています。
ちなみに、人類が制作した「モノ」としての副葬品はここが一番古い可能性がありますが、そもそも旧人類であるネアンデルタール人も花を添えて埋葬するという習慣があったので「副葬品」という広い意味ではこちらがオリジナルかもしれません。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。