青森県の世界遺産「亀ヶ岡石器時代遺跡」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (5)
登録年2021年

亀ヶ岡石器時代遺跡は「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つ。ここは縄文時代の土偶として最も有名な遮光器土偶(しゃこうきどぐう)が多く発見された地であり、その芸術様式の名前の由来になるほど。ところで、亀ヶ岡石器時代遺跡はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!

ここでは亀ヶ岡石器時代遺跡がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、亀ヶ岡石器時代遺跡について詳しくなること間違いなし!

目次

亀ヶ岡石器時代遺跡とは?

亀ヶ岡石器時代遺跡
画像素材:写真AC

青森県つがる市亀ケ岡にある縄文時代後期の集落遺跡で、教科書でもおなじみの「遮光器土偶」が多く発掘されたのがこの地。遺跡としての歴史は古く、1622年に津軽藩2代藩主の津軽信枚が城を築こうとした際に土偶や土器を発見。ここから発見されたものは「亀ヶ岡物」として当時から貴重品でした。

丘陵地帯には土坑墓があるエリアがあり、ここからは副葬品が多く出土され、おそらくは祭祀場であった様子。周辺の低湿地には捨て場があり、ここからは遮光器土偶を含めた土偶や玉類なども発掘。3000年ほど前から紀元前3世紀まで、南東北から南北海道に広まった土器の様式は「亀ヶ岡式土器」と呼ばれ、ここはその名称の由来となった場所でもあります。

亀ヶ岡石器時代遺跡はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

亀ヶ岡石器時代遺跡が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
北海道・北東北の縄文遺跡群では、土器や土偶などの遺物、墳墓、土塁、ストーンサークルなどが発掘され、これらは世界的に珍しい定住型狩猟社会の文化を示すものであるということ。

登録基準(v)
北海道・北東北の縄文遺跡群は定住地の出現から成熟期までの土地利用が見られ、縄文時代の人々は、食料が採れる川の近くや干潟、森など、農耕社会のように定住地を大きく変えることなく、自然と適応しながら狩猟採集生活を維持してきたということを示しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

亀ヶ岡石器時代遺跡は、土坑墓などの多い墓域ではありますが、ここは祖先崇拝が行われ、そのために土器や土偶などが多く出土し、定住型狩猟社会の文化が見られるという点で評価されています。

ちなみに、遮光器土偶は「遮光器(スノーゴーグル)」と名がつくのは、その形が由来ではありますが、あくまでもこれは目を表したもの。北米の寒冷地に暮らしているイヌイットが古くから遮光器を使っていたのですが、別に北米との関係性はないので注意。そして、よく足や腕の部分が破壊されているのは、儀式の際にわざと壊したんだとか。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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