登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (4) |
登録年 | 2012年 |
チェコ国境近くにあるバイロイトには、18世紀に建造されたバロック様式のオペラハウスがあります。ここはイタリアの有名な劇場建築家ジュゼッペ・ガッリ・ビビエーナによって設計され、500名も収容できる大きな劇場。それだけではなく、「公共施設」としての要素を持つオペラハウスであったという点で、19世紀以降の巨大劇場のルーツ的存在でもあります。
ここではバイロイト辺境伯歌劇場がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、バイロイト辺境伯歌劇場について詳しくなること間違いなし!
バイロイト辺境伯歌劇場(オペラハウス)とは?その歴史は?
ドイツ南部バイエルン州の東側に位置するバイロイトは、音楽祭が毎年開かれることで有名な音楽の都。ここには、ブランデルブルク・バイロイト辺境伯の夫人であり、プロイセンのフリードリヒ2世の姉であるヴィルヘルミーネが望んだことから建造されたオペラハウスがあります。彼女はフリードリヒ2世が最も慕っていた人物とされ、芸術を愛し、このオペラハウスで自らチェンバロを演奏するほどでした。
内観はイタリアの有名な劇場建築家ジュゼッペ・ガッリ・ビビエーナによって設計。工事は1745年から開始され、完成したのは1748年ではありますが、1747年にはヴィルヘルミーネが娘の結婚を祝ってこけら落としが行われました。
実は当時のオペラハウスは、ほとんど宮殿の一部として建造されることが多く、今では当たり前のようにある「公共施設」としての要素を持つオペラハウスは大変珍しいものでした。500もの収容人数を誇るこのオペラハウスは、その後ヨーロッパで造られていく巨大劇場のルーツのような存在でもあります。
現在でも彫刻や化粧漆喰、絵画など、18世紀のバロック様式の構造がすべてそのまま残っていてます。今日でも音響効果は問題なく利用できるというほど。2013〜2018年の修復によって、色彩も開館当時の色彩に戻されました。
バイロイト辺境伯歌劇場(オペラハウス)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
バイロイト辺境伯歌劇場が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
イタリアの有名な劇場建築家ジュゼッペ・ガッリ・ビビエーナによって設計された、バロック様式の劇場建築の傑作であり、装飾や音響効果の設計も優れているという点。
登録基準(iv)
バロック様式の劇場の傑作であるバイロイト辺境伯歌劇場は宮殿に併設されたものではなく、公共施設として位置するオペラハウスであり、その後の巨大劇場のルーツ的存在となっているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
オペラハウスは、バロック様式の劇場の傑作であり、構造そのものも優れていて、公共劇場としてのルーツが見られる建築物であるという点で評価されています。
ロマン派の音楽家として有名なワーグナーは、バイエルン国王ルートヴィヒ2世に招待を受け、やがてバイロイトに移住すると、辺境伯歌劇場でオペラを上演しようとしたのですが、結局彼はここを利用せず、新たに「バトロイト祝祭劇場」を建造。毎年夏に開かれるワーグナー音楽祭は、彼自身がオペラを上演するために開催された音楽祭で、1951年以降はほぼ毎年夏に行われるイベントとなりました。現在でも音楽祭ではワーグナーの歌劇と楽劇が上演されています。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。