登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (6) |
登録年 | 2013年 |
三保松原(みほのまつばら)は「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一つ。三保の松原は、和歌や浮世絵のテーマとなり、古くから景勝地として有名です。ところで、三保松原はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは三保松原がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、三保松原について詳しくなること間違いなし!
三保松原とは?
静岡市清水区の三保半島にある有名な景勝地。約7kmに渡って続く砂浜に3万ほどの松の木が続き、駿河湾の奥に富士山が見えるという景観は、和歌の題材にもなり、江戸時代になると浮世絵にも多く描かれています。ここはもともと御穂神社の鎮守の杜(ちんじゅのもり)として存在していたもの。そして、浜には古くから天女が舞い降りたという羽衣伝説が残り、羽衣をかけたとされる「羽衣の松」は現在は3代目。
世界遺産としては、富士山から45kmも離れたエリアであるために、ユネスコの諮問機関であるICOMOSには除外すべきと勧告はされたものの、最終的には構成資産の一つとして登録されました。登録範囲としては、南側の羽衣公園から北側の清水灯台まで登録されていて、御穂神社と参道である「神の道」も含めているのが特徴。
三保松原はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
三保松原が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
成層火山として雄大な富士山は、断続的な火山活動があったことから、古代から現代にいたるまで伝統的な山岳信仰が残っています。巡礼者は、山頂への登拝や麓の神社への巡礼を通じて、神仏の力を得ることを望むという富士講は富士山への深い崇拝に結びつくもの。富士山の均整のとれた美しい姿は、無数の芸術作品にもインスピレーションを与え、自然と共生しながら独自の伝統へと結びついていました。関連する文化遺産には、富士山の崇拝を中心とした伝統文化が残されているという点。
登録基準(vi)
富士山の景観は湖や海の上にそび立つように火山が位置するというイメージで、これは古くから文学や芸術などのインスピレーションを与えてきました。特に19世紀の葛飾北斎や歌川広重の浮世絵に描かれた富士山の姿は、その後、西洋美術の発展に大きな影響を与え、現在も世界中で知られる名山であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
三保の松原は古くから美しい景観で有名で、古くは『万葉集』、さらに江戸時代になると浮世絵のテーマになり、日本の芸術作品にも多く見られるという点で評価されています。
ちなみに、「シーチキン」で有名な缶詰メーカーの「はごろもフーズ」。実は本社は静岡県清水区にあるため、社名は三保の松原の天女の「羽衣」伝説からとって改名したもので、もともとは後藤缶詰所という名前だったのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。