大阪府の世界遺産「峯ヶ塚古墳」とは？世界遺産マニアが解説

峯ヶ塚古墳（みねがづかこふん）は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」の構成資産の一つ。古市古墳群の中で南部に位置していて、竪穴式石室からは多くの副葬品が発見されたことでも有名。ところで、峯ヶ塚古墳はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは峯ヶ塚古墳がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、について詳しくなること間違なし！

峯ヶ塚古墳とは？

羽曳野市にあり、古市古墳群の中でも南部に位置する、墳丘長96m、高さは10.5mの前方後円墳。ここはもともと丘陵を利用して建造され、二重の濠で囲まれていて、南側の堤は丁寧な盛土で造られたもの。5世紀後半以降は古墳が小型になっていく傾向にある中で、二重の濠の豪華な古墳が建造されたという点で、ここの被葬者は大王級の人物であったとされます。

古墳は何度も発掘調査が行われていて、1991年に後円部分から竪穴式石室を発見。盗掘はされていたものの、銀などの装飾のある太刀や武具、馬具、装飾品、玉類など、3500点以上の副葬品が出土。さらに舟形の石棺なども見つかっています。周囲は古墳を含めて「峰塚公園」として整備されて、外側から見学が可能。

峯ヶ塚古墳はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

峯ヶ塚古墳が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
百舌鳥・古市古墳群は、日本全国にある16万もの古墳の中でも、古墳時代を代表するもので、この時代の社会構造や階級、高度な葬送文化を示すものであるという点。

登録基準（iv）
百舌鳥・古市古墳群は、古代の東アジアにおいても優れた陵墓で、埴輪や葺石（ふきいし）で覆われた墳丘は階層社会の確立を示しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

峯ヶ塚古墳は多くの副葬品が発掘された貴重な古墳であり、古墳が築かれた時代の日本の社会や葬送の文化がよく分かるという点で評価されています。

ちなみに、江戸時代まで峯ヶ塚古墳は日本武尊（ヤマトタケル）の陵である「白鳥陵（しらとりのみささぎ）」と比定されていたものの、現在の宮内庁は近くにある白鳥陵古墳を日本武尊の陵として比定しています（確かに年代も合致しないというのもあるのですが…）。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。