長崎県の世界遺産「旧木型場（長崎造船所）」とは？世界遺産マニアが解説

旧木型場（長崎造船所）は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つ。ここは鋳造用の木製鋳型を作る工場で、造船所で最も古い建造物でもあります。ところで、旧木型場はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは旧木型場がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、旧木型場について詳しくなること間違いなし！

旧木型場（長崎造船所）とは？

長崎県長崎市は現在でも三菱重工業の長崎造船所があり、主力の造船所があることから、明治からそのまま使用されている造船所の一部が世界遺産に登録。造船所の北側に位置する木型場は、鋳造用の木製鋳型を作る工場として1898年に建造されたもの。ここは造船所の最も古い建造物で、現存する木型場としては最古のものでもあります。1915年には増築され、鉄骨造のトラス組みは今でも現存。

1982年には新しい木型場が完成すると、1985年からは資料館としてオープン。ここは木骨レンガ造り構造が今でも見られ、鋳物工場へと牽引するクレーンのレールも残っています。

旧木型場（長崎造船所）はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

旧木型場が評価されたのが、以下の点。

登録基準（ii）
明治日本の産業革命遺産は、江戸時代から続く封建社会であった日本が19世紀半から西欧の技術によって20世紀初頭まで短期間で世界有数の工業国となり、そのノウハウや技術など、東アジアの工業化において影響を与えたという証拠である点。あ！

登録基準（iv）
日本各地に残る鉄鋼、造船、石炭の産業拠点は、世界の歴史において、西欧諸国以外で初めて近代化に成功し、西欧技術の採用により、地元の技術革新と合わせて日本独自の工業化を反映した産業遺産であったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

旧木型場は木型鋳型を作るために使用された工場で、造船所で最も古い建造物が今でも残されていて、東アジアにおける工業が発展したという証拠として評価されています。

ちなみに、現在は三菱重工業長崎造船所史料館としてさまざまなものが展示されていますが、三菱の資料館というだけあって、創始者である岩崎弥太郎の書簡もあったりします。土佐出身の弥太郎は、長崎に派遣されることも多く、若い時は長崎の丸山花街で遊び過ぎて、資金がなくなったという失敗談も。当時からなかなかの大物だった様子。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。