長崎県の世界遺産「ジャイアント・カンチレバークレーン（長崎造船所）」とは？世界遺産マニアが解説

ジャイアント・カンチレバークレーン（長崎造船所）は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産の一つ。1909年から100年以上も利用されていて、同型の稼働するクレーンとしては世界最古。ところで、ジャイアント・カンチレバークレーンはなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここではジャイアント・カンチレバークレーンがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ジャイアント・カンチレバークレーンについて詳しくなること間違いなし！

ジャイアント・カンチレバークレーン（長崎造船所）とは？

長崎県長崎市は現在でも三菱重工業の長崎造船所があり、主力の造船所があることから、明治からそのまま使用されている造船所の一部が世界遺産に登録。造船所の北部にあるジャイアント・カンチレバークレーンは、1909年から導入された日本初の大型カンチレバークレーンで今でも現役で稼働しています。これは電動モーターで動き、大きな装備品を釣り上げるために使用され、今でも蒸気タービンや船舶用のプロペラなど大型の機械を運ぶ際に利用。

このクレーンは、スコットランドのアップルビー社製で、現存するクレーンは世界でも数少なく、さらには現役で稼働するのは長崎のものだけでなので、大変貴重なクレーンとなっています。しかし、ここは現在も稼働している造船所であるため見学はできません。

ジャイアント・カンチレバークレーン（長崎造船所）はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

ジャイアント・カンチレバークレーンが評価されたのが、以下の点。

登録基準（ii）
明治日本の産業革命遺産は、江戸時代から続く封建社会であった日本が19世紀半から西欧の技術によって20世紀初頭まで短期間で世界有数の工業国となり、そのノウハウや技術など、東アジアの工業化において影響を与えたという証拠である点。

登録基準（iv）
日本各地に残る鉄鋼、造船、石炭の産業拠点は、世界の歴史において、西欧諸国以外で初めて近代化に成功し、西欧技術の採用により、地元の技術革新と合わせて日本独自の工業化を反映した産業遺産であったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

長崎造船所のジャイアント・カンチレバークレーンは1909年製と古いものの、今でも現役で稼働しています。同型のクレーンとしては世界最古のクレーンであり、東アジアの工業化に貢献したという点で評価されています。

ちなみに、カンチレバーとは片持ち梁のこと。同じカンチレバーの構造としては、イギリスのフォース橋が世界遺産に登録されています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。