大阪府の世界遺産「鍋塚古墳」とは？世界遺産マニアが解説

鍋塚古墳（なべづかこふん）は「百舌鳥・古市古墳群-古代日本の墳墓群-」の構成資産の一つ。第15代応神天皇の皇后である仲姫命（なかつひめのみこと）の陵とされる仲ツ山古墳の北部に位置する方墳。ところで、鍋塚古墳はなぜ世界遺産なのでしょうか？意外と知ってそうで知らない！

ここでは鍋塚古墳がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、鍋塚古墳について詳しくなること間違なし！

鍋塚古墳とは？

古市古墳群の中でも北東に位置する仲ツ山古墳。その北部に位置するのが鍋塚古墳であり、一辺が40m、高さ7mの方墳となってます。墳丘は2段となっていて、現状は1辺40mですが、調査により、もともとは1辺が63mもあったと推測。周囲は空濠になっているものの、かつては濠で囲まれていたとされています。

古墳からは円筒埴輪や、家や盾といった形象埴輪が出土していて、建造は4世紀末と推定。特に仲ツ山古墳で発掘された埴輪と特徴が同じである上に、ここは仲ツ山古墳の周囲の堤に食い込む位置にあることから、同時代のものであると考えられています。よって、仲ツ山古墳の陪冢（ばいちょう、大きな古墳に付属する古墳）の一つとも推測できるもの。

鍋塚古墳はどんな理由で世界遺産に登録されているの？

鍋塚古墳が評価されたのが、以下の点。

登録基準（iii）
百舌鳥・古市古墳群は、日本全国にある16万もの古墳の中でも、古墳時代を代表するもので、この時代の社会構造や階級、高度な葬送文化を示すものであるという点。

登録基準（iv）
百舌鳥・古市古墳群は、古代の東アジアにおいても優れた陵墓で、埴輪や葺石（ふきいし）で覆われた墳丘は階層社会の確立を示しているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

仲ツ山古墳に近いことから、出土した埴輪との関連性も高く、古墳が築かれた時代の日本の社会や葬送の文化がよく分かるという点で評価されています。

ちなみに、鍋塚古墳は近鉄南大阪線のすぐそばにあり、なんと珍しく、古墳の上まで歩いて登ることができます。とはいえ、現在は階段のある普通の丘のように見えますが、世界遺産の古墳はほとんどが登ることができないので貴重なもの。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。