メキシコの世界遺産「尼僧院(ウシュマル)」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1), (2), (3)
登録年1996年

尼僧院(ウシュマル)は「古代都市ウシュマル」の構成資産の一つ。ユカタン半島に残る遺跡であるウシュマルの王宮であったとされますが、スペイン人によって「尼僧院」と名付けられました。ところで、尼僧院はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここでは尼僧院がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、尼僧院について詳しくなること間違なし!

目次

尼僧院(ウシュマル)とは?

画像素材:shutterstock

ユカタン半島の北部の大都市メリダから南へ約80km。ここには、マヤの古典期後期から後古典期まで栄えたウシュマルの遺跡があります。遺跡のシンボルでもある「魔法使いのピラミッド」の裏側には「尼僧院」と呼ばれる、中庭沿い4つの宮殿が回廊にように囲むような構造が見られるもの。

まるで修道院のように見えることからスペイン人が16世紀に「尼僧院」と呼んだだけであって、ここは10世紀に建造されたと推測されていて、実際は支配者の宮殿のような役割であったとされています。内面と外面は彫刻で文様が刻まれていて、 ウシュマルの建造物でも保存状態が良好なもの。

尼僧院(ウシュマル)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

尼僧院が評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
ウシュマルと周囲の儀式用の建造物が集まる遺跡は、都市の区画や建造様式など、マヤ後期の芸術と建築の傑作であるという点。

登録基準(ii)
ウシュマルの建築様式や天文学は、メキシコ中央部で興った文明から影響が見られるということ。

登録基準(iii)
ウシュマルで見られる建築様式は、マヤ文明が発展した時期のもので、マヤ文明後期の社会構造を示しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

尼僧院は、マヤ文明が発展した時代の社会構造が見られ、その彫刻の文様などは当時の芸術様式が見られるという点で評価されています。

ちなみに、尼僧院がまるで修道院のような中庭を持つ理由としては、各地の支配者を集めて会議をしていたという説があり、現代風でいえば「議会」の場として利用されていたと考えられています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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