チェコの世界遺産「プラハ城」とは?世界一の広さを誇る城?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (4), (6)
登録年1992年

プラハ城は「プラハ歴史地区」の構成遺産の一つ。かつてボヘミア国王と神聖ローマ皇帝の居城として利用され、1000年に渡る建造物の集合体となっています。ところで、プラハ城はなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではプラハ城がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、プラハ城について詳しくなること間違いなし!

目次

プラハ城とは?

プラハ城
画像素材:shutterstock

ヴルタヴァ川(モルダウ川)の西岸、フラチャヌィの丘の上に築かれた広大な城。ここには9世紀には城壁が築かれていて、10世紀にはプラハ最古の聖イジー聖堂と聖ヴィート教会が建造。現在の城のベースとなったロマネスク様式の宮殿は12世紀に建造されました。

14世紀になると「黄金のプラハ」を築いた神聖ローマ皇帝カール4世(1316〜1378年)が王宮をゴシック様式で再建。その後、歴代の王たちがプラハ城の増設を続けていて、ルネサンス様式の建築物や防御塔などが加えられていきます。長らく王族の居城ではありましたが、第二次世界大戦ではナチスによって占領されました。その後は共産主義政府が置かれ、現在は大統領府でもあり、建造物は博物館や美術館として利用されています。

プラハ城
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チェコ城の敷地は城として世界最大でギネス記録にも記載されているほどに広大で、城内にはゴシック様式の聖ヴィート大聖堂、ロマネスク様式の聖イジー教会、修道院、宮殿、ホール、尖塔、宮殿など、1000年に渡って築かれた建造物が続きます。

宮殿はほとんどが博物館として利用されていて、国立美術館、国立歴史博物館、プラハ城絵画美術館などが並んでいて、ボヘミア国王の宝冠である「聖ヴァーツラフの王冠」が保管されている場所としても有名。

聖ヴィート大聖堂

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プラハ城の内にあるゴシック様式の建造物。10世紀に建造された、プラハ最古の教会で、現在の姿になったのは14世紀のカール4世の時代。「聖ヴァーツラフの王冠」が置かれている礼拝堂は、チェコの守護聖人、聖ヴァーツラフ(ボヘミア公ヴァーツラフ1世)を祀るもの。

聖イジー聖堂

聖イジー聖堂
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プラハ城に残る最古の教会建築で920年に創設。973年にボヘミア最古の聖イジー修道院が置かれ、この地方のキリスト教の中心地でもありました。現在の建造物はなんどか改修されていますが、バロック建築のファサードは17世紀後半に加えられたもの。現在はバシリカとして利用されておらず、プラハ国立美術館の展示館となっています。

プラハ城はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

プラハ城
画像素材:shutterstock

プラハ城が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
14世紀以降に政治、経済、文化などが発展したプラハは、中欧や東欧の各都市の建築や芸術様式のモデルとなったという点。

登録基準(iv)
プラハは世界的に有名な建築物と町並みが溶け込んだ、優れた都市建築物の集合体であるということ。

登録基準(vi)
プラハは、中央ヨーロッパのキリスト教の中心地であり、カレル大学によって学問が発展し、フランツ・カフカが住んだ街として文化も発展した都市であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

プラハ城は、世界一大きな城として知られていて、何世紀にも渡って各時代の建築様式が加えられていて、ここは中欧と東欧の各都市の建築・美術様式のモデルとなっているという点で評価されています。

ちなみに「聖ヴァーツラフの王冠」は公開されておらず、実は旧王宮内に展示されているのはレプリカ。聖ヴィート大聖堂にあるようですが、保管場所は知らされておらず、入口は7つの鍵でしか開かない扉で保管されていて、この鍵を持つのは大統領や首相のほか、市長や大司教だけだとか。

この王冠を簒奪者がかぶると1年以内に死ぬという伝説があり、ナチス・ドイツの親衛隊大将のラインハルト・ハイドリヒはこっそりと被ったら暗殺されたという噂もあり…不思議なパワーが溢れているのかもしれません。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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