登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1), (2), (4), (6) |
登録年 | 1996年 |
千畳閣(豊国神社)は「厳島神社」の構成資産の一つ。もともとは豊臣秀吉によって築かれた未完成の寺院ですが、後に神社となったもの。ところで、千畳閣はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは千畳閣(豊国神社)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、千畳閣について詳しくなること間違いなし!
千畳閣(豊国神社)とは?
千畳閣は現在は豊国神社となっていて、厳島神社の北側にある末社(境外にある小さな神社)でもあります。ここは1587年に豊臣秀吉が部下であった安国寺恵瓊に命じて建立した大経堂。しかし、工事は中断し、細部は現在も完成していません。明治時代になると、厳島神社の末社となりました。
本殿は入母屋造の屋根で、内部が畳が857枚も敷けるほどの広さがあるのもの、実際は板張りとなっています。よって、名前だけは「千畳閣」となっていますが、これはあくまでもその規模から名付けられたもの。
五重塔
敷地内にある五重塔は1407年に造られたものの、1533年に改修されました。高さは27.6mで、代表的な寺院建築様式の和様を基本としていますが、細部に禅宗様(ぜんしゅうよう)という中国建築の要素も入っています。現在は非公開ですが、国の重要文化財として登録。
千畳閣(豊国神社)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
千畳閣が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
厳島神社は貴族の居住空間を神社建築に応用したもので、さらに自然と人工の建築物を組合わせた傑作であるという点。
登録基準(ii)
自然を崇拝する厳島神社の建築様式は、日本人の宗教観を示し、日本の景観美を理解できるものであるということ。
登録基準(iv)
厳島神社は、12世紀後半〜13世紀初頭の建築様式をそのまま保存しており、周囲の風景を組み合わせた神社建築の優れた例であるという点。
登録基準(vi)
日本人の宗教観は、さまざまな神を崇拝するというもので、神道以外にも仏教施設などが存在する厳島はこれを代表するものであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
千畳閣は、もともとは仏教建築であったものの、後に神社のとなったという経緯を持ち、神仏混淆という日本独自の宗教観が見られる場所として評価されています。
ちなみに、ここは庶民から天下人となった豊臣秀吉が祭神であることから、現在は「出世のご利益」がある場所として有名です。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。