スリランカの世界遺産「シンハラジャ森林保護区」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(9), (10)
登録年1988年

スリランカの南西部にあるシンハラジャ森林保護区は、世界でも数少ない原生の熱帯雨林を残す地。ここは植物は60%以上が固有種、哺乳類と蝶は50%以上も固有種、さらにはセイロンサンジャクなどの固有種も見られるため、ユネスコの生物保護区になるほどに貴重な森となっています。

ここではシンハラジャ森林保護区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、シンハラジャ森林保護区について詳しくなること間違いなし!

目次

シンハラジャ森林保護区とは?

セイロンサンジャク/シンハラジャ森林保護区
画像素材:shutterstock

シンハラジャは「ライオンの王国」を意味するものので、ここは原生の熱帯雨林が残る地でもあります。敷地内には、標高は300〜1170mもの高低差があり、起伏のある地形に小川が流れ、渓谷が形成。年間降水量は3600〜500mmにもなり、豊かな生態系が見れるのが特徴です。

スリランカの植物の固有種は830種ほど生息しますが、ここはそのうち約500種も存在するという貴重な森でもあります。特に鳥類は20種のうち19種も固有種で、絶滅危惧種のセイロンサンジャクなどが生息。そして、哺乳類と蝶は50%以上が固有種であるというほど。しかし、周囲の開発の影響で原生林が中世に比べて10分の1にもなってしまったというほどで、1978年にユネスコの生物保護区にも登録されています。

シンハラジャ森林保護区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

シンハラジャ森林保護区
画像素材:shutterstock

シンハラジャ森林保護区が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ix)
シンハラジャ森林保護区は、スリランカの中でも熱帯雨林がそのまま残される地であり、これらの森林は6億年前から2億年前まで存在していた、かつて大陸が一つに繋がっていたゴンドワナ大陸時代から生物の進化が見られ、大陸移動の研究における貴重な資料にもなっているという点。

登録基準(x)
シンハラジャ森林保護区は、原生の熱帯雨林が残る地であり、森林内に固有種が多く存在し、哺乳類と蝶は50%以上も固有種、特に鳥類は20種のうち19種も固有種と豊かな生態系で、絶滅危惧種のヒョウも目撃されているということ。

世界遺産マニアの結論と感想

シンハラジャ森林保護区は、ユネスコの生物保護区に登録されるほどに、貴重な原生雨林が残っていて、これらはかつてのゴンドワナ大陸時代からの生態系の進化が見られ、動植物は固有種が多く見られるという点で評価されています。

ちなみに、セイロンは紀元前5世紀にも遡る古い言葉で、この地はずっとセイロンと呼ばれていました。「スリランカ」は国内でも多数派のシンハラ人の自称で、1972年に独立した際にこの名が国名になったものの、動植物の名前はそれ以前に命名されたので、今でも「セイロン」が抜けないのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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