登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(2),(3),(4),(5),(6) |
登録年 | 1987年 |
サン・マルコ寺院(大聖堂)は「ヴェネツィアとその潟」の構成資産の一つ。ヴェネツィア大司教座が置かれた有名な大聖堂であり、内部には黄金に輝くドームや壁などが残っています。ところで、サン・マルコ寺院はなぜ世界遺産なのでしょうか?
ここではサン・マルコ寺院がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サン・マルコ寺院について詳しくなること間違いなし!
サン・マルコ寺院(大聖堂)とは?
ヴェネツィアの中心的な広場に面した大聖堂。9世紀に聖マルコの聖遺物が持ち込まれると、ここに聖堂が築かれました。聖マルコとは「聖マルコの福音書(新約聖書中の一書)」の執筆者とされていて、後に彼が町のシンボルとなり、紋章にも刻まれるほど。火災により焼失するも、11世紀にビザンツ様式で再建されます。1807年にヴェネツィア大司教座がここに置かれたため、現在は大聖堂ではありますが、長らく寺院(聖堂)ではあったために、今でもサン・マルコ寺院と呼ばれることがしばしば。
内部は黄金に輝くモザイク画などが見どころ。正面入口の上に置かれた4頭の馬の彫像は13世紀に十字軍によって、コンスタンティノープル(現イスタンブール)からヴェネツィアへと持ち運ばれたもので、現在はレプリカです。
サン・マルコ寺院(大聖堂)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
サン・マルコ寺院が評価されたのが、以下の点。
登録基準(i)
潟(ラグーン)に浮かんでいるように見えるヴェネツィアは、世界でも建築物の傑作が並ぶ都市の一つであるという点。
登録基準(ii)
ヴェネツィアの都市構造は、アドリア海や東地中海の都市に大きな影響を与えたということ。
登録基準(iii)
かつて世界中の海と文化をつないだヴェネツィアは、現在でも存在し続けているという点。
登録基準(iv)
町にはヴェネツィア共和国時代の技術を示す建築物が多く残るということ。
登録基準(v)
ヴェネツィア周辺の潟(ラグーン)は、独特の生態系を持ち、これを利用した漁村や小屋、耕作地なども価値が高いという点。
登録基準(vi)
マルコ・ポーロが世界を地中海を越えて世界を冒険したように、ヴェネツィアの商人の開拓精神は、人類の歴史の発展に貢献したということ。
世界遺産マニアの結論と感想
サン・マルコ寺院は、ヴェネツィア共和国(697〜1797年)の繁栄が見られ、アドリア海や東地中海世界の都市に大きな影響を与えていたことが分かるという点で評価されています。
ちなみに、聖マルコは実在しているかどうかは不明ではありますが、キリスト教の最初期に布教を行ったパウロと同行している可能性があるとか。おそらくは1世紀の人物でエジプトのアレクサンドリアで布教を始めましたため、初代アレクサンドリア総主教とされています。よって、ヴェネツィアの商人は9世紀にアレクサンドアリアで彼の聖遺物を入手したという経緯があるのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。