カンボジアの世界遺産「タ・プローム」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(1),(2),(3),(4)
登録年1992年

タ・プロームは「アンコール遺跡」の構成資産の一つ。ここは崩壊した寺院や宮殿に樹木が食い込んでいて、不思議な景観が見られるのが特徴です。ところで、タ・プロームはなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではタ・プロームがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、タ・プロームについて詳しくなること間違いなし!

目次

タ・プロームとは?

タ・プローム
画像素材:shutterstock

アンコール・ワットから北東に位置する遺跡群で、かつては寺院として利用された施設でした。最盛期の王であったジャヤーヴァルマン7世(1125〜1218年?/1220年?)によるもので、かつては「王の僧院」と呼ばれるほど。仏教寺院として造られたものの、のちにヒンドゥー教寺院となりました。最盛期は8万の人々が暮らせるほどの規模あったとされ、祠堂は39箇所もあり、三重の回廊に囲まれた寺院で、周囲はラテライトの堀で囲まれています。

しかし、アンコール王朝が崩壊すると、19世紀に再発見されるまで、ガジュマルの木が祠堂や回廊など建設物全体に食い込んでしまいました。近年では、ハリウッド映画などのロケ地として使用されるほどに、自然と遺跡が合わさった独特の景観を作り出しています。

タ・プローム
画像素材:shutterstock

ちなみに、あまりにも木々による浸食が激しく、現在はインドによって修復計画があるものの、そもそもこれらの樹木は遺跡を破壊しているのか…、それとも支えてくれているのか…、もはや不明なために、修復の方針は決まらず、議論が起きているところ。

タ・プロームはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

タ・プローム
画像素材:shutterstock

タ・プロームが評価されたのが、以下の点。

登録基準(i)
アンコール遺跡は、アンコールワット、バイヨン寺院、パンテアイ・スレイなど、9〜15世紀までのクメール美術の傑作が見られるということ。

登録基準(ii)
アンコールで発展したクメール美術は、東南アジア全域で影響を与え、各地で独自に発展していったという点。

登録基準(iii)
密林に残る遺跡は9〜15世紀に東南アジアの大部分を支配したクメール王朝の存在を示しているということ。

登録基準(iv)
クメール様式の建築は、各地で独特の進化を遂げ、結果的に東南アジアの建築と美術の新しい様式を生み出していったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

タ・プロームは、現在は樹木が建築物に食い込むという独特の景観が広がる遺跡ですが、これはかつてのアンコール王朝の繁栄が見られ、独自の芸術様式が残っているという点で評価されています。

ちなみに、タ・プロームにはステゴサウルスに見えるレリーフ「タ・プロームの恐竜」があることでも有名。もちろん、実際はサイや水牛、イノシシなどが描かれたものと予測されていますが…果たして?ロマンを感じますね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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