登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2),(4) |
登録年 | 1994年 |
天龍寺は「古都京都の文化財」の構成資産の一つ。歴史としては室町時代に遡るものの、建築物は近代にほぼ再建され、当時から残る庭園は作庭の名手・夢窓疎石(むそうそせき)によるもの。ところで、天龍寺はなぜ世界遺産なのでしょうか?意外と知ってそうで知らない!
ここでは天龍寺がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、天龍寺について詳しくなること間違いなし!
天龍寺とは?
右京区にある臨済宗天龍寺派の総本山。もともとは13世紀に後嵯峨天皇(1220〜1272年)によって、嵐山を背景として離宮が築かれ、それを1343年に室町幕府の初代将軍であった足利尊氏が改築したもの。開基(初代住職)は作庭の名手である夢窓疎石で、参道は東西に延びていて、山門、仏殿、法堂、方丈(住職が生活する建物)が一直線に並ぶというのが特徴。しかし、室町時代から江戸時代まで何度も火災に遭い、当時の建造物はほとんど残っておらず、建築物は近代に再建されました。
方丈の西側にある曹源池(そうげんち)庭園のみ当時の姿をわずかに残しています。ここは夢窓疎石の作庭で、池泉回遊式庭園(池を回遊して鑑賞するタイプの庭園)は周囲の嵐山や亀山を風景として取り込んだもの。
天龍寺はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
天龍寺が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
京都は8〜17世紀にかけて、宗教と世俗的な建築様式や庭園設計が発展した場所であり、日本伝統文化の形成に貢献してきました。そして、庭園設計は19世紀以降、世界中に大きな影響を与えたという点。
登録基準(iv)
京都の文化財に見られる建築と庭園設計は、日本の前近代の文化における最高の表現であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
天龍寺は、何度も火災に遭い、歴史的な建築物は少ないものの、作庭の名手・夢窓疎石が初代住職だけに、世界に影響を与えた庭園様式が残るという点で評価されています。
ちなみに、天龍寺は太秦の東映京都撮影所に近かったことから、明治時代から時代劇のロケに使われたということでも有名です。昔の東映映画をよーく見ると、背景に登場することも。さらには映画『名探偵コナン から紅の恋歌』でもエンディングカットに登場します。これは東宝が配給ですが…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。