オーストラリアの世界遺産「ウルル(エアーズ・ロック)」とは?場所や大きさを含めて世界遺産マニアが解説

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登録区分複合遺産
登録基準(5), (6), (7), (8)
登録年1987年

ウルル(エアーズ・ロック)は「ウルル=カタ・ジュタ国立公園」の構成資産の一つ。世界でも2番目の大きさを誇る岩石で、古くからここに住むアナング族の聖地でもあります。ところで、ウルルはなぜ世界遺産なのでしょうか?

ここではウルルがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ウルルについて詳しくなること間違いなし!

目次

ウルル(エアーズ・ロック)とは?どこにある?

ウルル(エアーズ・ロック)
画像素材:shutterstock

ノーザンテリトリーの首府ダーウィンから1431km南に位置している、世界で2番目に大きな岩石。ここはオーストラリア大陸の中心部にあります。

6億年前にここには8000m級の山々があり、山脈の合間には川には砂が大量に積もって扇状地が作られました。これが侵食で削られて、大きな砂岩へと変化。そして、地殻変動が発生し、7000万年前には現在のような姿になったのです。岩肌にはくぼみや洞窟も無数に存在。

ウルル(エアーズ・ロック)
画像素材:AdobeStock

「エアーズロック」は、1873年にオーストラリアの探検家ウィリアム・ゴスが発見し、当時の植民地首相のヘンリー・エアーズにちなんで命名されたもの。

とはいえ、この地には、4〜5万年前からオーストラリアの先住民であるアボリジニのアナング族が住んでいました。ここが聖地になったのは1万年くらい前から。彼らはこの岩を「ウルル」と呼び、文字を持たなかったため、岩には壁画を残しました。

ウルル(エアーズ・ロック)の高さと広さは?

ウルル(エアーズ・ロック)
画像素材:shutterstock

地上に露出している部分だけでいうと、標高は348mで周囲は約9.4kmにもなります。砂岩は鉄分を多く含んでいて、酸化することで赤色になるという構造。そして、朝日や夕日を浴びると色がより鮮明に出ます。

現在露出している岩山は、全体の5%ほどしか出ておらず、地下に埋まっている部分がほとんど。ウルルから50km離れた距離にある「カタ・ジュタ(オルガ山)」とは地下で繋がっています。

現在は登れない?

ウルル(エアーズ・ロック)
画像素材:shutterstock

今でも周囲にはアボリジニのアナング族が住んでいて、ウルルの壁画には水たまりや精霊などが描かれており、岩山には「偉大な祖先」の魂が眠っているとされています。

ここは1958年から国立公園となっており、観光地として人気が出たため、多くの観光客がウルルを登頂していました。しかし、もともとはアナング族の一部の祭司以外は登頂を許していなかったのです。長年の裁判の結果、1985年にこの土地はアナング族に返還され、2084年までは政府が土地を借用するということになり、2019年には登頂禁止になりました。

ウルル(エアーズ・ロック)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ウルル(エアーズ・ロック)
画像素材:shutterstock

ウルルが評価されたのが、以下の点。

登録基準(v)
ウルルを含めた文化的景観は、アナング族の伝統的な狩猟や生活を反映したものであるということ。

登録基準(vi)
ウルルとカタ・ジュタは、アナング族の神話の舞台となっており、「偉大な祖先」が寝る土地として崇められてきたという点。

登録基準(vii)
巨大な一枚岩であるウルルと複数の岩山が連なるカタ・ジュタは、平原の上にそびえ立つ美しい自然の景観であるということ。

登録基準(viii)
平原の中にポツンと立つウルルとカタ・ジュタは、地形学としても優れた例であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

世界でも2番目に大きな一枚岩であるウルルは、平原に立つという独特の景観で地形としても珍しいもの。そして、ここはアナング族の聖地として彼らのシンボルであるという点で評価されています。

ちなみに、登頂禁止となったのは、先住民への宗教的な理由でもあるのですが、もともと登頂しようとした観光客による転落事故も発生していたために、ある意味良かったのかもしれませんね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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