ペルーの世界遺産「クスコ市街」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3),(4)
登録年1983年

ペルー東部・アンデス山脈にある大都市クスコは、かつてインカ帝国の首都として栄えました。クスコ王国の第9代サパ・インカ(皇帝)パチャクテクの時代に最盛期を迎えたものの、16世紀にスペイン人征服者によって街は破壊。彼らはインカの都市を土台にしてバロック様式の教会や宮殿を作ったため、独特の景観が残る都市となりました。

ここでは、クスコ市街がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クスコについて詳しくなること間違なし!

目次

クスコ市街とは?

画像素材:shutterstock

クスコは標高3400mもの位置にある高原都市ではありますが、アンデス山脈の中でも川が集まり、肥沃な沖積平野が広がるという恵まれた地。ここに人々が住み着いたのは11〜12世紀ころ。13世紀になると、インカ帝国の前身となるクスコ王国が開かれ、ここが首都となりました。初代王マンコ・カパックは、太陽神インティに導かれ、太陽神殿を建設したという伝説が残ります。

その後、15世紀になるとサパ・インカ(皇帝)となった、9代のパチャクテクは現在のエクアドルからチリまで征服。インカ帝国は南米において大帝国となりました。

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16世紀になると、スペイン人征服者フランシスコ・ピサロによってインカ帝国が崩壊。その後、クスコはスペイン人によって支配され、インカ帝国時代の神殿や宮殿を破壊して、バロック様式の教会や宮殿を建造します。しかし、インカの築いた建造物は、石積みがあまりにも精巧で、土台部分は破壊できず、そのまま利用することに。よって上部はスペイン風の建造物なのに対し、基礎部分はインカ時代の石積みの土台という独自の建築様式になりました。

インカ帝国の石積み技術は、大地震が発生しても壊れることがなく、カミソリ一つも入らないほど精巧な造り。近郊のサクサイワマン遺跡でも同様の石積みが見られます。ここはインカ帝国の宗教儀礼の場とされており、現在でもインティ・ライミという太陽神の祭りが行われていることで有名。

登録されている主な構成遺産

アルマス広場

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インカ帝国時代から使用されていた広場で、フランシスコ・ピサロがここでクスコ征服の宣言をしたり、18世紀に反乱を指導したホセ・ガブリエル・コンドルカンキの処刑が行われたりと、歴史的なイベントが行われる場所でした。現在も街の中心地で、周囲は商店が集まっています。

クスコ大聖堂

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アルマス広場に面したローマ・カトリックの大聖堂。16〜17世紀に建造。ここはインカ帝国時代は神殿として使用されていて、その後、クスコでキリスト教を普及するため、神殿を破壊し、郊外のサクサイワマン遺跡から運んできた石材を使用して大聖堂を建造。ゴシック様式とルネサンス様式が入り混じり、バロック様式の要素も加わっています。内部は絵画のコレクションが充実。

ラ・コンパニーア・デ・ヘスス教会

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こちらもアルマス広場に面した教会。かつては、11代サパ・インカのワイナ・カパックの宮殿があった場所に、1576年にイエズス会によって建造されました。17世紀に地震によって荒廃し、再建されたもの。入口の美しいファサードはバロック様式で、教会はアメリカ大陸に残るコロニアル・バロック建築の傑作とされています。

太陽神殿(コリカンチャ)

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インカ帝国で最も重要な神殿とされ、かつて外壁は金で覆われており、黄金の像があったと記録されています。16世紀のスペインの征服後は、神殿は破壊され、現在ここに建つサント・ドミンゴ教会の素材として使用されました。そして、教会の中庭に神殿があったとされ、土台には当時の神殿の遺構が残っています。

クスコ市街はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

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クスコが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
クスコは、15〜16世紀に南米のアンデス山脈一帯を支配したインカ文明の首都であり、南米の先住民たちの文化の総決算的存在ということを示すということ。

登録基準(iv)
クスコは、インカ帝国時代の文化とスペインの文化が何世紀にも渡って融合していき、独特の都市景観を作り出していったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

クスコは、スペイン支配前の南米における最先端の文化を持つ都市であり、スペインに支配された後も、インカの文化とスペインの文化を組み合わせて現在のような独自の町並みを作り出していったという点で評価されています。

ちなみに、歌手の「ナオト・インティライミ」さんのインティ・ライミは、インティ・ライミから由来しているとか。世界一周の旅をしている時に命名したらしいですが、「分かりづらい」と最初はかなり反対されたとのこと。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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