プエブラの名物「モーレ・ポブラーノ」とは?世界遺産巡りにおすすめグルメはこれ!

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「カレーにチョコレートを入れるとコクが出る!」という裏技は割とよく知られますが、チョコレートって基本的にスイーツ以外であまり使わないもの。しかし、メキシコの世界遺産の古都・プエブラでは…不思議なことにチョコレートを見事に使った名物料理があることで有名なのだ。これは一体どんなグルメなのか?

今回は、メキシコの世界遺産・プエブラ歴史地区で味わったグルメ「モーレ・ポブラーノ」を紹介。世界遺産巡りのついでに味わってほしい「世界遺産級の激ウマ・グルメ」を解説していこう。

目次

メキシコの世界遺産「プエブラ歴史地区」は、ヨーロッパのようでヨーロッパでない不思議な街

首都メキシコシティから日帰りで行ける都市であり、スペイン人が築いた植民都市の様子がよく残っているのがプエブラ。メキシコシティは高層ビルが並び、車の騒音でいつも人でいっぱいの大都会なのだが、プエブラは割と静かな街で、カラフルなコロニアル様式の家々が並び、まるでヨーロッパの田舎街に来たような雰囲気。…本当に同じ国なのか?と思うほど。

ロザリオの聖母礼拝堂(サント・ドミンゴ教会)/プエブラ歴史地区

それもそのはずで、ここはスペイン人が訪れる前までは街がなく、スペイン人によって0から作られた街なのだ。それもあり、16〜17世紀になるとバロック様式の豪華絢爛な建造物が築かれ、教会の内部の装飾の緻密さはもはやヨーロッパよりも豪華なのではないか?…と思うくらい。一応、先住民の文化が入っているものの、ここは本当にメキシコなのか?と思うくらいだ。

「プエブラ歴史地区」の詳細はこちら

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プエブラは文化の最先端の場だけあって「モーレ・ポブラーノ」はメキシコを代表する料理へと発展!

モーレ・ポブラーノ

プエブラはヨーロッパからの移民も多く、繊維産業で大いに繁栄しただけあって、19世紀くらいになると文化と経済でも国をリードする存在になったそう。そんなプエブラだけに食文化においても全国規模のメニューとなったメニューがあるらしい。それが「モーレ・ポブラーノ(プエブラのモーレ)」だ。モーレとは…ソースを意味しているのだが、メキシコでモーレというと「ソースを利用した料理」全般も指すので、少しややこしい。

実はモーレは、スペイン人が訪れる前から先住民にとっては儀式の品やごちそうとして食べられていて、数種類の唐辛子ととうもろこしをすりつぶして煮詰めて、当時はトルティーヤを浸して食べていたそう。そんなモーレをスペイン人たちに向けてアレンジしたのが、このモーレ・ポブラーノであり、当初はローストした七面鳥にチョコレートを加えたモーレを加えて提供したところ…みんな大絶賛!今ではメキシコでどこでも食べられる定番メニューになったとか。…そんな国際料理を味わってみたい!

ということで、町中を巡る。あまりファストフード的なメニューではないので、ガチで食べたいのなら地方料理を出すような本格的なレストランのほうが無難そうだ。観光客向けのレストランだと、現地の方から美味しくないとディスられる傾向にあるが、そもそも正当なモーレ・ポブラーノを知らない我々からすれば、まずは食べてみないと始まらない!

モーレ・ポブラーノ

お値段は高めとなるが、ソカロ(中心部の広場のこと)周囲には観光客向けのレストランがあったので、とりあえず、プエブラの味を注文してみた。現在のモーレ・ポブラーノというと、チキンを軽くローストしたものに、どっぷりとチョコレート風味の茶色のモーレがかかった一品。ケチャップライスが添えられているので…見た目は結構「カレーライス」に近いが、これは料理として大丈夫なものなのだろうか?そもそもチョコレートとチキンって異色のコンビだよなぁ。

我々日本人のチョコレートの概念が捻じ曲げられ、思考も停止してしまうが、そんなこと言っても仕方ない。まずは、一口入れてみようか。

うむむむ…茶色いモーレは確かにチョコレート丸出しの見た目だが、実は全く甘くない!むしろ、唐辛子のスパイシーさが全面に出ていて、チョコレート要素といえば、ビターな風味にコクが加わったという程度。どちらかというと、発想はカレーライスに近いかもしれん。と言おうか、「カレーにチョコレートを入れるとコクが出る」というテクを応用した感じがして、非常に馴染みのある料理で意外なほどに食べやすかった…これは全メキシコで大ヒットになったのもの頷ける。

…これは「世界遺産級」の味わいだ!

モーレ・ポブラーノは、16世紀に生み出された国際料理であると同時に「食の芸術」だ!

チョコレートのソースをチキンにかけるという賛否両論の料理でありますが、メキシコなのにヨーロッパの香りが満載の街だけに、先住民の伝統的ソースを外国人であったヨーロッパ人へ解釈させるための国際料理だけあって、意外にも万国共通の「美味しい」と感じる料理なのである。

街はバロック様式の建造物が多いだけに、バロックは「真珠や宝石のいびつな形」を意味するポルトガル語に由来する説もあり、かなり「いびつな料理」ではあるものの、食という新たなる芸術を生み出したと言っても過言ではない!このメニューこそが、まさにプエブラという街を表しているのだろうなぁ…。

世界遺産のついでに世界遺産級のグルメも同時に楽しんでみてはいかが?

※こちらの内容は、あくまでも過去に現地を訪れた際に体験したものであり、最新情報はご自身でご確認ください。

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この記事を書いた人

世界遺産を満喫するのも良いが…旅の醍醐味は遺産だけじゃない!その遺産を築いた人々や周囲の環境による「グルメ」こそ、世界遺産巡りを楽しむもう一つの醍醐味だ。ここでは世界遺産巡りのついでに立ち寄りたい、“世界遺産級”のグルメを紹介していこう。

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