コスタリカの世界遺産「グアナカステ保全地域」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(9), (10)
登録年1999年(2004年拡大)

コスタリカ北西部に位置するグアナカステ保護区は6つの国立公園や自然保護区で構成されています。ここにはカリブ海側は雲霧林、太平洋側は熱帯乾燥林という自然豊かな環境で、絶滅危惧種や希少種など、膨大な数の動植物が生息するエリア。

ここではグアナカステ保全地域がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、 について詳しくなること間違いなし!

目次

グアナカステ保全地域とは?

ノドジロオマキザル/グアナカステ保全地域
画像素材:shutterstock

ニカラグアの国境近くにあるグアナカステ保護区は合計で1470平方kmもの広大な敷地が登録されていて、ここはコスタリカの国土の2.5%を占めています。1999年には、グアナカステ国立公園、サンタ・ロサ国立公園、リンコン・デ・ラ・ビエハ火山国立公園、フンキリャル湾国立野生生物保護区、オリソンテス試験森林の5つが登録され、2004年にはサンタ・エレナ地区が拡大登録されました。

ここは高地から海岸線まで幅広いエリアで構成され、カリブ海側は雲霧林(霧に覆われた森林地帯)、太平洋側は熱帯乾燥林が広がっていて、太平洋沿岸沿いの海域も含まれています。熱帯雨林には多様な生物が生息していて、約7000種の植物と900種以上の脊椎動物が見られるというのが特徴。絶滅危惧種のベアードバクやマングローブエメラルドハチドリ、ノドジロオマキザルをはじめ、クロコダイルやジャガーなど生息しています。海岸には数種類のウミガメが生息していて、絶滅危惧種のオサガメやヒメウミガメが産卵に訪れる場所としても有名。

グアナカステ保全地域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

グアナカステ保全地域
画像素材:shutterstock

グアナカステ保全地域が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ix)
グアナカステ保全地域は、太平洋からグアナカステ国立公園とリンコン・デ・ラ・ビエハ火山国立公園の火山を越えてカリブ海の低地まで勾配が続く地。ここは熱帯雨林や雲霧林、熱帯乾燥林などが含まれ、周囲の海は湧昇(ゆうしょう)によって栄養が溢れ、陸や海などでは生物多様性で溢れ、生態学プロセスと相互作用が見られるという点。

登録基準(x)
グアナカステ保全地域は、コスタリカで生息する生物の約3分の2が見られ、絶滅危惧種のベアードバク、40種のコウモリ、ジャガー、絶滅危惧種のマングローブエメラルドハチドリを含む500種の鳥類、アメリカクロコダイル、絶滅危惧種のオサガメやヒメウミガメの生息地であり、推定2万種のカブトムシと1万3000種のアリ、8000種の蝶と蛾など、海洋生体系と陸生生態系が多く保護されているエリアで、熱帯の生物多様性が保護されているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

グアナカステ保全地域は、6つの国立公園や生物保護区などで構成されていて、太平洋側とカリブ海側の両方の地形が含まれることから、コスタリカに生息する生物の3分の2に達するほどの生物多様性が保護されているという点で評価されています。

ちなみに、上の写真にあるノドジロオマキザルは、映画『ナイトミュージアム』に登場したことでも有名ですが、いたずら好きのサルだけに、岩を利用してナッツや甲殻類を食べやすくしたりと、世界のサルの中でも抜群に知能の高いサルなのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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