登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4) |
登録年 | 2000年 |
北大西洋に浮かぶバミューダ諸島に位置するセント・ジョージは、1612年に建設された、イギリス最初期の植民都市。現在も街は石造りの家が並び、中には18世紀当時から残るタッカー・ハウスなどがあります。街や島の周囲には、軍事施設が建設され、これらは17〜20世紀までのイギリスの軍事技術の発展を示すもの。
ここではバミューダ島の古都セント・ジョージと関連要塞群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、セント・ジョージについて詳しくなること間違いなし!
バミューダ島の古都セント・ジョージと関連要塞群とは?
バミューダ諸島は、現在はイギリスの海外領土で、もともとは16世紀にスペインの探検家によって発見されたとされています。その後、イギリスの植民者によって発見されると、1612年から集落が形成されるようになり、それが現在のセント・ジョージの起源となりました。現在のセント・ジョージは、バミューダ諸島の北東に浮かぶセント・ジョージ島にある街で、かつては港と軍事施設が置かれた要塞都市でもありました。
街は17〜18世紀に建造された石造りの家々が並び、その区画と構造は現在でも変化がないというのが特徴。壁は白塗りにされていて、家の低い屋根を雨水を集めて管を通して貯水槽へと繋がるような独特の構造になっています。ここには18世紀当時の家具がそのまま残るタッカー・ハウスや西半球最古の英国国教会の教会とされるセント・ピーターズ教会など、歴史的な建造物も点在。
セント・ジョージは軍の駐屯所でもあり、街の東側には軍事関連施設が多く並んでいます。18世紀には既に兵舎が築かれ、19世紀に将校の邸宅や病院、礼拝堂など、英国様式の軍事関連施設が築かれました。そして、セント・ジョージ島の周囲には17世紀から要塞が多く設置され、これらはイギリスの海軍基地として利用されていたもの。
位置としてはアメリカ大陸から近いということもあり、現在はリゾート地として多くの観光客が訪れていて、観光業が主要な産業でもあります。
バミューダ島の古都セント・ジョージと関連要塞群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
セント・ジョージが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
セント・ジョージは17世紀から継続的に利用されてきた都市で、新大陸で最も古く、要塞化されたイギリスの植民都市であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
バミューダ諸島は、北大西洋でも絶海の孤島で暮らすには不向きではありましたが、ここはイギリスとアメリカ大陸の中継地としては絶好の場所でした。17世紀初期から要塞化され、イギリスの植民都市としては最古のもので、当時の町並みが現在でも見られるという点で評価されています。
ちなみに、フロリダ半島の先端、プエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形の海域は「バミューダ・トライアングル」として知られますね。謎の遭難事件が起きる場所として有名ですが、元からハリケーンが発生しやすい海域な上に、島の数も少ないため、ほとんどがそういった自然環境による偶然の事故などが多く、実際に遭難件数が他の海域よりも多いということはないのです…。まぁ、オカルト的には夢のない話ではありますが。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。