登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (8), (9), (10) |
登録年 | 1994年 |
ベネズエラ南東にあるカナイマ国立公園は、隣国のガイアナとブラジルの国境に沿って約3万平方km以上の広さを誇る公園です。公園の65%は2000mを越えるテーブルマウンテン(テプイ)で覆われており、固有種も多く生息。世界最大の落差があるエンジェルフォール(アンヘルの滝)があることでも有名です。
ここでは、カナイマ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カナイマ国立公園について詳しくなること間違いなし!
カナイマ国立公園とは?エンジェルフォールがあることで有名!
南米大陸の北部にある「ギアナ高地」は、標高2000mを越えるテーブルマウンテンで知られる、コロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ、ブラジルの6カ国にまたがる広大なエリア。
その中でもベネズエラ南東部にある「カナイマ国立公園」は、世界最大の落差979mのエンジェルフォール(アンヘルの滝)があることで知られます。公園は熱帯雨林やサバンナなども含まれ、約3万平方km以上の広さで関東地方より少し狭い程度の広さ。人類未踏の地が多くあり、「世界最後の秘境」といわれるほど。
プレートテクトニクスの影響を受けず、約20億万年前の地層がそのまま残っているのが特徴。テーブルマウンテンは長年雨風にさらされて、柔らかい地盤だけ崩壊して、固い地盤が残り、テーブル状になったのです。公園内にはテーブルマウンテンが大小100以上あり、先住民ペモン族から「テプイ(神の家)」と崇拝されていました。
切り立った崖の上は、周囲から隔離されているため、食中植物や500種のランなどが生息し、身体中に突起物があるカエル・オリオフリネラなども見られます。公園内には4000種類の植物が生息しており、75%が固有種というほど。
登録されている主な構成資産
アウヤンテプイ
公園内にあるテーブルマウンテンの中でも、最大のもの。標高2535mで、「悪霊のテプイ」を意味します。山の周囲は約650kmもあり、東京23区を上回る大きさ。世界最大の落差を誇る滝、エンジェルフォール(アンヘルの滝)があることでも有名。
エンジェルフォール(アンヘルの滝)
ギアナ高地最大のアウヤンテプイから流れ落ちる世界最大の落差(979m)を誇る滝。あまりにも高い位置から落ちるため、流れ落ちる水は途中で分散してしまい、霞のようになってしまいます。よって、滝壺は存在しないというのが特徴。
カナイマ国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
カナイマ国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
エンジェルフォールやテーブルマウンテンなど、ひときわ美しい自然が見られるという点。
登録基準(vii)
テーブルマウンテンからは約20億万年前の地層などが見られ、これは地球の歴史の主要な段階を示しているということ。
登録基準(ix)
テーブルマウンテンの頂上は、周囲から隔離されているため、独特の生態系を持つという点。
登録基準(x)
オオアルマジロ、オオカワウソ、身体中に突起物があるカエル・オリオフリネラなど、絶滅の恐れがある生物が生息するということ。
世界遺産マニアの結論と感想
「世界最後の秘境」と言われるほどに、テーブルマウンテンやエンジェルフォールは世界中でもここでしか見られない絶景が広がっています。そして、地層もかなり古く、テーブルマウンテンには、独特の進化を果たした不思議な動物も多く生息。この地形が生み出した、カエル・オリオフリネラなど特殊な動物も見られるのも評価のポイント。
ちなみに、エンジェルフォールとは言うものの、天使というわけではなく、発見者であるアメリカの飛行家ジミー・エンジェルにちなんだ名前です。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。