登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 2004年 |
インド西部の大都市ムンバイのターミナル駅である、チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅はインドの伝統建築と英国のゴシック・リバイバル様式を組み合わせた壮麗な建築物。ゴシック様式の建築物が多く残る、インド最大の貿易都市であるムンバイのシンボルとなっています。
ここでは、チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(旧ヴィクトリア駅)がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅について詳しくなること間違いなし!
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(旧ヴィクトリア駅)とは?
インド西部の大都市ムンバイは、国内最大の貿易港を持ち、インド経済の中心でもあります。ここには1853年に鉄道駅が建てられたのですが、そこが手狭になったため、1878年に建築家のF・Wスティーヴンスによって10年以上の歳月をかけて新駅舎を建造。
建物は、当時英国で流行していたゴシック・リバイバル様式(18〜19世紀に流行した中世のゴシック建築の復興を目指すもの)とインドの伝統的な建築を組み合わせたものになりました。一見すると英国の宮殿風に見えますが、ドームや小塔、平面プランなどは、伝統的なインドの建築物をイメージしたもの。イタリア産の大理石なども利用され、19世紀後半に市内に多く建造された、ゴシック建築が点在するムンバイを代表する建造物となりました。
かつてはヴィクトリア女王即50周年のイベントに合わせて建造されたため「ヴィクトリア駅」という名称でした。しかし、1996年にかつてインド西部を支配していたマラーター王国の王、チャトラパティ・シヴァージーの名前をとって改名。現在は1日300万人もの人々が通勤で利用するという大きなターミナル駅となっています。
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(旧ヴィクトリア駅)はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
インドの伝統的な建築物から影響を受けた、ヴィクトリア朝のゴシック・リバイバル様式の建造物は、商業都市ムンバイのシンボルとなっているという点。
登録基準(iv)
ヴィクトリア朝のゴシック・リバイバル様式と伝統的なインド建築の技術が導入されていて、19世紀の大英帝国の鉄道建築の傑作であったということ。
世界遺産マニアの結論と感想
世界でも最も壮麗な鉄道駅の一つであり、ここはインド独自の伝統建築も入れた折衷様式であるということと、鉄道駅建築として優れているという点で評価されています。
ちなみに、ゴシック・リバイバル様式というとピンとこないかもしれませんが、イギリス国会議事堂もこの様式で建造されています。つまり、ビッグ・ベンと同じスタイルというとわかりやすいでしょうか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。