イタリアの世界遺産「パエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのサン・ロレンツォ修道院を含むチレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (4)
登録年1998年

ナポリの南東部に広がるチレントは断崖が広がる美しい海岸や山岳地帯が広がるエリア。ここにはギリシャの植民都市であったパエストゥムやヴェーリア、そして、パドゥーラにあるサン・ロレンツォ修道院などがあり、それぞれが世界遺産に登録されています。

ここではパエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのサン・ロレンツォ修道院を含むチレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、チレントとヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園について詳しくなること間違いなし!

目次

パエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのサン・ロレンツォ修道院を含むチレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園とは?

パエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのサン・ロレンツォ修道院を含むチレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園
画像素材:shutterstock

ヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園は、イタリアの南部にあるカンバニア州サレルノ県内にある広大な公園。ここは山岳地帯となっていて、海岸沿いは断崖が広がる険しいエリアでもあります。

この地は約25万年前から人が住み始め、当時から山岳地帯を利用した交通網が存在していました。紀元前6〜7世紀にかけてギリシャ人が入植して各地に都市が築かれ、紀元前3世紀に共和制ローマの領土に。その時代に街道が整備され、何度か衰退しましたが、それらが中世まで使用され、各地の城や修道院を結ぶようになりました。

登録されている主な構成資産

パエストゥム

パエストゥム
画像素材:shutterstock

公園の西部、サレルノ湾の南に残るギリシャ遺跡。ここは紀元前7世紀ころにギリシャから移住してきた人々によって建設された植民都市。3つのドーリア式神殿が丘の上に築かれ、それぞれ保存状態も良好です。

ヴェーリア

ヴェーリア
画像素材:shutterstock

公園の南西部に位置する遺跡。ここは6世紀に築かれたギリシャの植民都市で、エレア派と呼ばれる哲学者たちが活動していたことで有名な都市でした。かつての城壁が約5kmほど残存していて、他には貯水槽跡や都市の遺構なども残っています。

サン・ロレンツォ修道院/パドゥーラ

サン・ロレンツォ修道院/パドゥーラ
画像素材:shutterstock

公園の東部、ディアノ渓谷に位置するパドゥーラという小さな街にある修道院。ここは14世紀にかつて存在していた修道院の敷地に新たに修道院が建造され、450年以上にも渡って建造されたため、面積は5万平方メートルを越え、イタリアでも最大の広さを誇る修道院でとなりました。建物はバロック様式の部分が多く、世界最大の回廊を持ち、84もの柱で囲まれていることでも有名。

パエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのサン・ロレンツォ修道院を含むチレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

パエストゥムとヴェーリアの考古遺跡群やパドゥーラのサン・ロレンツォ修道院を含むチレントおよびヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園
画像素材:shutterstock

チレントとヴァッロ・ディ・ディアーノ国立公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ここは先史時代から中世まで、山岳地帯を利用した道路網が発達していて、それらが文化や商業などが発達する重要なネットワークとして機能し、文化的景観を生み出したという点。

登録基準(iv)
トレントは、西のティレニア海と東アドリア海に挟まれた険しい地であるにもかかわらず、人々はネットワークを広げたという、地中海地域において文明社会が発展したという文化的景観が見られるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

文化的景観というと大変分かりづらいですが、ここはイタリア半島の南東部にある山岳地帯であるものの、古くから交通網が発達していて、そのネットワークがあったために文化や商業が発達し、大都市や修道院がこの地に築かれた…ということで、このエリア全体が評価されているのです。

パエストゥムの街は、チーズ工場が多く、「モッツァレラ街道」と呼ばれるほどに工場が密集したエリア。ちなみに、遺跡の近くにはレストランが並んでいるので、新鮮なチーズを楽しむことができます。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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