登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9), (10) |
登録年 | 2005年 |
パナマ南西部の沿岸沿いに浮かぶ広大なコイバ島と38もの島々はチリキ湾の海域を含めた海洋公園として世界遺産に登録。ここはエルニーニョ現象の影響を受けないという湾内にあるため、固有種の動植物が多く生息します。そして、ヒメオウギワシなどの希少種やコイバホエザルなどの固有種が生息し、絶滅危惧種も見られるのが特徴。
ここではコイバ国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、コイバ国立公園について詳しくなること間違いなし!
コイバ国立公園とその海洋特別保護地域とは?
パナマ南西部に位置するチリキ湾には、コイバ島と38もの島々が広がるという合計で約4500平方kmにもなる海洋公園があります。ここは熱帯東太平洋地域にあり、海域はクジラやサメ、ウミガメ、多種多様な海洋生物などが暮らす貴重な生息地でもあるのが特徴。
パナマ本土からコイバ島が切り離されたのは、1万8000年〜2000年前。ここは大陸と海洋の両方の自然環境と生態系が見られます。エルニーニョ現象(海面水温が平年より高くなり、一年ほど続くという現象)の影響を受けないというチリキ湾内にあるため、海洋性熱帯雨林が見られ、哺乳類や鳥類、植物において固有性が高く、希少種や絶滅危惧種が多く生息。ここは他の地域では見られないヒメオウギワシなどの希少種が暮らし、さらにコイバホエザルなどの固有種であり、絶滅危惧種といった動物も見られます。
コイバ国立公園とその海洋特別保護地域はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
コイバ国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
チリキ湾の島々は本土から切り離されてからそれほど長い時間が立っていないのにもかかわらず、哺乳類や鳥類、植物など固有性が高く、周囲には太平洋でも最大規模のサンゴ礁で覆われていて遠洋魚類や海洋哺乳類が多く生息するという環境であるということ。
登録基準(x)
コイバ島の熱帯雨林は、多種多様な固有種が生息し、パナマの他の地域では姿を消した、ヒメオウギワシやコンゴウインコなどが生息。これは地力湾がエルニーニョ現象の影響を受けず、適度な温度で生息できるため、760種の海洋魚、33種のサメ、20種のクジラなどが見られ、太平洋を横断する遠洋魚が多く訪れる熱帯東太平洋地域の島々であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
チリキ湾の島々は、本土から離れて時間が経っていないため、大陸と海洋といった2つの自然環境が見られ、海域は遠洋魚類や海洋哺乳類、島の熱帯雨林には多種多様な固有種が暮らし、パナマ本土では見られない動植物を含め絶滅危惧種も生息するという点で評価されています。
ちなみに、コイバ島は1919年から流刑地として使用され、ここは政治犯の処刑や拷問などが行われた恐ろしい場所でした。それもあり、1992年に国立公園になり、2004年に監獄が閉鎖するまでは、観光客も訪れることも少なかったため、自然環境がそのまま残されたというウラ事情もあります。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。