アルジェリアの世界遺産「ジェミラ」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3), (4)
登録年1982年

ジェミラはアルジェリアの北東部、標高900mの山岳地帯にある考古学遺跡。ここは城砦から発展したローマの植民都市でしたが、6世紀以降は放棄されたため、南北を貫くカルドには神殿や凱旋門など保存状態の良い建築物が残っています。

ここではジェミラがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ジェミラについて詳しくなること間違いなし!

目次

ジェミラとは?

ジェミラ
画像素材:shutterstock

ジェミラは、アルジェリア北東の大都市セティフから、さらに北東へ約50kmの位置にあるローマ時代の遺跡。かつてクイクルムと呼ばれ、紀元1世紀にヌミディア地方に築かれた植民都市です。ここは標高約900mに位置する山岳地帯に作られたため、ローマ都市で見られる東西に位置するデクマヌスと呼ばれる通りがなく、地形に沿って南北にカルドと呼ばれる通り沿いに建築物が並ぶといった構造になっています。

しかし、ローマ帝国が崩壊すると徐々に衰退し、6世紀になると街は放棄。7世紀にアラブ人に発見されたものの、人は住むことはありませんでした。もともとは兵士たちの居住地ではありましたが、後に街は工芸品や商業で繁栄。カルド沿いには、カラカラ帝の凱旋門やカピトリウム神殿などが並んでいて保存状態も良好。特にローマ貴族の邸宅跡に残るモザイクは、神話や日常生活がモチーフになっていて、当時のアフリカ北部の美術が見られます。

ジェミラはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ジェミラ
画像素材:shutterstock

ジェミラが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ジェミラは、美しいローマの建築物や都市計画がよく保存されていて、かつて存在した文明の痕跡を示しているということ。

登録基準(iv)
ここは山岳地帯に対応した築かれたローマの植民都市で、2〜6世紀までに発展し、北アフリカでも優れたローマ建築群であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ジェミラは、北アフリカでも指折りの保存状態の良いローマ都市で、山に沿って築かれたというローマにおいても特殊な構造であるという点で評価されています。

ちなみに、ジェミラもしくはジャミラはアラビア語で「美しい」という意味。町の名前でも使用されるものの、女性の名前にもよく使用されます。ちなみに、『ウルトラマン』に登場する怪獣ジャミラはこのワードを意識したのかどうかは不明ですけどね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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