登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(8) |
登録年 | 2009年 |
イタリア・アルプス山脈の東側に位置する18の峰から構成されるエリアで、氷河地形やカルストなど、多彩な地形が残る場所。ここは中生代の地層が残り、化石の産地ともなっています。そして、ドロマイト(苦灰石)が発見された場所としても有名。
ここではドロミーティがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ドロミーティについて詳しくなること間違いなし!
ドロミーティとは?
イタリア北東部に広がるドロミーティは、東アルプス山脈の一部で、18の峰を含む9つの山岳地帯で構成されています。ここは標高3000mを超えるマルモラーダなどの名峰も含まれていて、急峻な岩山が多く広がるエリア。ここは地すべりや雪崩などが発生し、氷河地形やカルストなど、多彩な地形が見られます。炭酸塩を含む中生代の地層が残ることから化石の産地としても有名。
「ドロミーティ」の名前はフランスの地質学者でり、鉱物学者であるデオダ・ドゥ・ドロミューに由来します。彼はこの地で苦灰岩を多く発見したことから、苦灰岩は彼の名前をとって「ドロミア(ドロマイト)」と名付けられました。
ドロミーティはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ドロミーティが評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
尖塔のようなさまざまな形の岩山が並ぶドロミーティは、峡谷には森や牧草地が広がり、そのコントラストによって絵画のような美しい景観が眺められ、岩崖は1500mを越え、世界でも最も高い石灰岩壁の一つとなっているという点。
登録基準(viii)
ドロミーティは、地層からは中生代の珊瑚の化石などが多く発見され、他にも侵食や地殻変動、氷河作用などが見られる地形であり、地形学においては重要であるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ドロミーティは、ドロマイトの名が由来する場所だけあって、さまざまな地形が見られる高山エリア。ここは氷河地形やカルスト、そして、太古の海に存在していた珊瑚の化石なども発見されていて、地形学や古生物学など、さまざまな面で評価されています。
ちなみに、ドロミーティの周辺のドロミテ地方だけで話されている「ラディン語」という独自の言語があって、約1万5000~2万人しか話者がいないレアな言語でもあります。しかし、イタリア語にほど近いということもあり、交通網が発達し、人の往来も多いこともあり、衰退しつつあるとか。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。