登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7), (8), (10) |
登録年 | 1980年(2005年拡大) |
モンテネグロ北部に広がるドゥルミトル国立公園は、ルーマニア語で「眠れるもの」を意味し、標高2523mのボボトフ・クックを含む山々と深い峡谷、地下には氷の世界が広がるレデナ・ペチナの洞穴もあることで知られます。
ここではドゥルミトル国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ドゥルミトル国立公園について詳しくなること間違いなし!
ドゥルミトル国立公園とは?
ディナル・アルプス山脈を構成するドゥルミトルは、ルーマニア語で「眠れるもの」を意味していて、石灰岩の山塊は、古代ローマの軍人がここが穏やかな地であったことから名付けたとされています。現在は標高2523mのボボトフ・クックを含む50の山々と、ドラガ川、スシカ川、コマルニカ川、タラ川などが作り出す深い峡谷など、氷河期の地形がそのまま見られる、約350平方kmの広大な公園。
ここは約2億5000万年前の中生代から新世代第四紀までの堆積物が存在していていて、地質学としても貴重なもの。地下には、氷柱や氷板などが並ぶレデナ・ペチナの洞穴もあることでも有名。
園内には固有種が多く住み、絶滅危惧種のドナウイトウというサケ科に属する淡水魚も生息。他にもヒグマや狼、ヨーロッパヤマネコなども見られます。
ドゥルミトル国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ドゥルミトル国立公園が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
ドゥルミトル国立公園は、氷河と川の侵食によって美しい景観が形成され、特にタラ川の峡谷はヨーロッパでも最も深い峡谷で、地下にあるレデナ・ペチナの洞穴など、多くの洞窟が見られるという点。
登録基準(viii)
ドゥルミトル国立公園は、その起源は中生代から由来するカルスト地形で、地質学や地形学において重要であり、地下には世界でも珍しい氷の洞窟が見られるということ。
登録基準(x)
公園は標高約450〜2500mに位置するため、さまざまな生態系を持ち、植物は固有種や希少な種が見られ、鳥類はハヤブサやヨーロッパオオライチョウなど130種、ヒグマや狼、ヨーロッパヤマネコ、カワウソなども生息。さらに絶滅危惧種のドナウイトウも見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
ドゥルミトル国立公園は、中生代から由来するカルスト地形で、ヨーロッパでも最も深い峡谷があるほどに氷河の作用が見られる一方、貴重な動植物が見られ、絶滅危惧種のドナウイトウも生息するという点も評価されています。
イトウの和名は「糸魚」でありますが、サケ類はもともとは早春に川登りをするため、そのように名付けられたとか。しかし、日本においてもイトウは絶滅危惧種で珍しく、その大きさは1m以上にもなるほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。