アメリカの世界遺産「独立記念館」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(6)
登録年1979年

かつてのアメリカの首都であったペンシルバニア州フィラデルフィア。街の中心部にある独立記念館は、1776年に独立宣言、1787年にアメリカ合衆国憲法が著名された場所。文書に記載された「自由と民主主義」は、アメリカの歴史において重要な概念として評価されています。

ここでは、独立記念館がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、独立記念館について詳しくなること間違いなし!

目次

独立記念館とは?

独立記念館
画像素材:shutterstock

ペンシルバニア州フィラデルフィアは、17世紀に設立されたペンシルベニア植民地が発祥。ここには、アマチュア建築家であったアンドリュー・ハミルトンによって1732〜1752年に建造された館がありました。この赤レンガの建設物は、議事堂として利用されていたもの。

1776年7月4日に、この建物の広間でイギリス植民地13州の代表者が集まり、後にアメリカ大統領になるトーマス・ジェファーソンが起草したアメリカ独立宣言が署名されました。それ以降、この建物は「独立記念館」と呼ばれるようになります。その後、1783年に植民地の独立が認められ、これによりアメリカ合衆国が成立。

1787年に独立記念館のアセンブリールームで、憲法制定会議が開かれ、アメリカ合衆国憲法がここで承認されました。この2つの文書にある「自由と民主主義」の概念は、世界中の政治家や思想家に大きな影響を与えることになったのです。

リバティ・ベル・センター
画像素材:shutterstock

建物は英国様式で中央には時計台があるという構造。この時計塔には「リバティ・ベル(自由の鐘)」という1753年から1846年まで、歴史的な瞬間に何度も鳴らされたことがある鐘がありました。しかし、1846年に亀裂が入り、現役を引退すると、独立記念館の裏にある「リバティ・ベル・センター」に置かれています。

独立記念館は1830年代と1950年代に修復が行われ、当時の姿を現在も保存。現在は周辺の建物と合わせて「独立記念国立歴史公園」として開放されています。

独立記念館はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

独立記念館
画像素材:shutterstock

独立記念館が評価されたのが、以下の点。

登録基準(vi)
ここでは、1776年に独立宣言、1787年にアメリカ合衆国憲法が著名され、その「自由と民主主義」の概念は、多くの国の憲法や国連憲章などに影響を与えているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ここは広島の原爆ドームと同じく、登録基準(vi)だけで登録されている珍しい文化遺産。つまり、ここで起きた出来事、独立宣言と合衆国憲法が著名されたことだけで登録されているということ。しかし、この2つの概念である「自由と民主主義」はその後の世界においてはスタンダードになっていくという点で、人類にとって偉大な価値があるということが評価に繋がっていったのです。

ちなみに、アメリカの古都ともいうべきフィラデルフィアでは、アメリカらしいファストフード・チーズステーキがあって、これはロールパンにチーズと薄切り肉を挟むというボリューミーなもの。ある意味、「アメリカらしさ」を感じる食べ物なのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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