登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (5) |
登録年 | 2001年 |
オーストリアとハンガリーの国境に広がるフェルテー湖/ノイジードル湖は、表面積315平方kmとヨーロッパでも最大の塩水湖。ここは古くから異文化が交わる地であり、湖の周囲には田舎風の貴族の館や、18〜19世紀のハンガリーの宮殿風の館など、湖と合わさった文化的景観が広がっています。
ここではフェルテー湖/ノイジードル湖の文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、フェルテー湖/ノイジードル湖について詳しくなること間違いなし!
フェルテー湖/ノイジードル湖の文化的景観とは?
ドイツ語でノイジードル湖、ハンガリー語でフェルテー湖と呼ばれる塩湖はオーストリアとハンガリーの国境に広がっています。そのうち北部の240平方kmはオーストリア領で、南部の75平方kmがハンガリー領。湖は1万8000年から1万4000年ころに出現したとされ、何度も干上がったり、水が張ったりといった状態を繰り返してきました。
紀元前7世紀には湖畔に人々が密集して住むようになり、鉄器時代初期のハルシュタット文明からローマ帝国までこの地に人々が住んでいたことが遺跡から分かっています。現在存在する湖畔の町や村々は12〜13世紀に形成され、16世紀にオスマン帝国に支配されるまで家畜やワインの産地として繁栄しました。18〜19世紀になると湖畔には宮殿が多く建造されるようになり、ハンガリーの大貴族であるエスターハージ家の宮殿や田舎風の貴族の館などは現在も残っています。これらは自然環境に合わせて人々がこの地で暮らしてきたということを証明するもの。
現在は、ウィーンっ子が週末気軽に訪れるリゾート地でもありますが、湖がアシに囲まれていることもあり、コウノトリなどの野鳥が見られるバードウォッチングのスポットとして有名。
フェルテー湖/ノイジードル湖の文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
フェルテー湖/ノイジードル湖が評価されたのが、以下の点。
登録基準(v)
フェルテー湖/ノイジードル湖は、約8000年に渡って異文化が交差する場所で、湖は人間によって活用され、共生しつつ発展してきたという多様な景観が見られるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
フェルテー湖/ノイジードル湖は、古来より人間が住むことで、ここは農地や放牧地として活用され続けた特殊な湖でもあります。そして、今でも湖畔には宮殿や館が残っていて、湖周辺は人間とともに共生しながら発展してきたという文化的景観が見られるという点で評価。
ちなみに、湖では毎年夏になると「メルビッシュ湖上音楽祭」というウィーン・オペレッタがなんと湖の上で上演されます。約20万人も動員するほどの人気のイベントですが、現在は『ウェスト・サイド・ストーリー』や『王様と私』、『マンマ・ミーア!』などミュージカルが上演される傾向に。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。