登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (4), (5) |
登録年 | 1995年 |
コロンビア北西部に位置するサンタ・クルス・デ・モンポスは、16世紀にカルタヘナ総督のフアン・デ・サンタ・クルスによってマグダレナ川沿いに設立された街。ここはスペインの南米における植民地化において大いに貢献し、水運の要衝として19世紀に川の流れが変わるまで繁栄しました。今も白亜のコロニアル様式の家々が並び、スペイン風の街並みが残されています。
ここではサンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サンタ・クルス・デ・モンポスについて詳しくなること間違いなし!
サンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区とは?
コロンビア北部ボリーバル県にある湿地帯に16世紀にサンタ・クルス・デ・モンポス。街の名前は、カルタヘナ総督のフアン・デ・サンタ・クルスと、先住民キンバヤ人の首長「モンポ」から由来しています。ここは北部最大の港湾都市のカルタヘナからマグダレナ川を利用して交易が行われ、スペインによる南米の植民地運営に貢献してきました。17世紀から19世紀初頭までは水運の要衝地として大いに繁栄。
街はマグダレナ川に沿って南北に道路が築かれ、洪水時に都市を防衛するためのバリケードがあり、スペインの典型的な植民都市にあるような中央広場の代わりに3つの広場があり、それぞれの広場に教会が建造されました。白亜の民家は大通り沿いに17世紀から19世紀初頭まで建造され、川沿いの気候に適応したレンガ造りの建築物が多く並び、装飾された扉や内装、バルコニーなどは、当時の名残が今でも残っています。19世紀以降は街は衰退したために、大きな開発をされることがなく、街全体の保存状態も良好。
サンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
サンタ・クルス・デ・モンポスが評価されたのが、以下の点。
登録基準(iv)
サンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区は、17世紀から19世紀初頭にかけてスペインによる植民地の拡大と支配、商業の発展においては不可欠であったということを証明しているということ。
登録基準(v)
街は川とほぼ平行に沿っていて、道路もそれに沿って南北に成長し、南米の北部でもほとんど例がない街並みになりました。その後、ここは衰退したために保存状態が良好で、川沿いに現存する集落の中でも優れたものであるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
サンタ・クルス・デ・モンポスの歴史地区は、スペインの植民地拡大に不可欠な重要な都市の様子を残し、19世紀に衰退したために、湿地帯に合わせて建造された街並みは保存状態が優れているという点で評価されています。
ちなみに、マグレブ川沿いには1980年代に麻薬の密売組織の首領によって「私設動物園」があったものの、彼が死亡すると動物園にいたカバが放置されてしまい、どんどんと数が増えていき、現在は増えすぎてマナティーや人間が攻撃されるほどに問題となっています。しかし、カバは絶滅危惧種であるために対処に困っていて、地元では真剣に議論されていて、今後どうなるかは注目ですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。