登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (3) |
登録年 | 1998年 |
ボリビア東部のアンデス山脈の東側に位置していて、石英を含む赤みを帯びた砂岩層の丘に築かれた集落遺跡。「砦」というものの、実際は宗教施設であったと考えられ、ここはインカ帝国以前に先住民によって高度な文明が存在した証拠でもあります。
ここではサマイパタの砦がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サマイパタの砦について詳しくなること間違いなし!
サマイパタの砦とは?
サマイパタの砦は、ボリビア東部・サンタクルス県の南西部に丘の上に残る遺跡。ここは東西250m、南北60mほどの大きさの遺跡となっていて、「砦」とはいうものの、儀式などを行う宗教施設と行政施設、居住区などがあった宗教都市であったとされています。
ここは4世紀にモホコヤ文化に属する人々によって使用されていた集落であったとされていて、14世紀にインカ帝国に征服されると、この地域の中心都市になりました。インカ帝国時代の広場やテラスなどは今でも残されていますが、16世紀以降、スペインによる征服後は交易の中継地となったものの、その後は放棄されたと考えられます。
遺跡は、北側の儀式のエリアと、南側の行政・居住区に分かれていて、西側はジャガーやヘビなどの彫刻や祭壇が残っています。北側には「司祭の聖歌隊」と呼ばれる18の壁龕があり、これは座席として使用されていたとされるもの。南側には「アクラワシ」と呼ばれる尼僧院があったとされ、これはインカの貴族の妻になるために女性たちが修行する場所で、インカ入植地の典型的な施設でもありました。
サマイパタの砦はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
サマイパタの砦が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
サマイパタの砦は、彫刻が施された丘にスペイン征服前の宗教と政治の中心だった集落が存在していたということを示す遺跡であるということ。
登録基準(iii)
サマイパタの砦には、岩に刻まれた彫刻が並び、古来からの独自の宗教を持つ高度な文明を持つ文化がアンデスの地に存在していたことを証明するという点。
世界遺産マニアの結論と感想
サマイパタの砦は、巨大な岩の丘にかつてスペインが征服される前に宗教と政治の中心であった集落があったということを示すもので、ここは伝統的な宗教を持つ高度に発達した文明があったという点で評価されています。
ちなみにサマイパタの砦は、1970年代にスイスの作家・エーリッヒ・フォン・デニケンによって、古代宇宙飛行士説が唱えられた地で、ここはUFOの発着地跡であるとかなんとか…。もちろん、トンデモ説ではありますが、確かに丘の上には平行な溝があることから、なんとなく「基地」っぽさを感じますけどね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。